厚生労働省は5月21日、小林製薬の紅麹問題で、発生している健康被害の原因の一つとして見られていたプベルル酸について、7日間・高用量投与の動物試験の結果、腎障害が発生することを確認したと発表した。
厚生労働省は、これまでに、「紅麴コレステヘルプ」の原料である紅麹の特定のロットから、プベルル酸とは別に、二つの化合物を発見したことを明らかにしていた。プベルル酸以外の2成分は、紅麹の有効成分とされる「モナコリンK」と類似の分子式を持った化合物だという。
厚生労働省によると、小林製薬の大阪・和歌山の二つの紅麹原料の工場から、青カビが確認されたとしている。
厚生労働省では、紅麹と青カビの共存実験を実施。その結果、「モナコリンK」と、発見した三つの化合物の産生が確認されたとしている。
このことから厚労省では、工場内のどこかで青カビが紅麹に混入し、プベルル酸が産生されたとみているという。
プベルル酸の毒性を確認した動物実験では、プベルル酸を投与する群と、プベルル酸を含む三つの化合物が入った紅麹原料を投与する群の二つに分け、7日間にわたって観察したという。その結果、投与した動物に腎障害が発生していることを確認したという。短期間の投与試験であるため、プベルル酸や紅麹は、多めの量で投与したとしている。
厚労省では引き続き、「紅麴コレステヘルプ」を摂取した人の健康被害の原因が、「プベルル酸」なのか、他の化合物なのか、あるいは、プベルル酸と別の何らかの成分との相乗効果なのかなどについて、実験を行っていくとしている。
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