アズワンは5月24日、2024年3月期決算を発表した。売上高は前期比4.5%増の955億3600万円だった。研究開発需要を取り込むECサイトの品揃え拡大とサービス強化が増収に寄与した。
営業利益は同8.4%減の104億3500万円。新物流センター「阪神DC」の開設費用などが減益要因となった。
次期予想売上高は前期比6.0%増の1012億円超で、1000億円の大台達成を目指す。
オンラインで開催した決算説明会では、売上高1000億円達成のための重点施策について、井内卓嗣社長は「ドライバーはEC強化だ。次期以降の安定的な成長に向けて、レンタルや高価格帯機器の販売にもアプローチしていく。それぞれの種まきも含めて今期は着実に歩んでいきたい」と話した。
2024年3月期のEC売上高は同18.4%増の278億2700万円だった。
大規模ユーザー向け集中購買システム「ocean(オーシャン)」や、ネット通販事業者向けの販売チャネルが伸びた。部門別ではラボ・インダストリー部門のラボラトリー(LB)のECチャネルが前期と比べて売り上げが28億円増えた。
ウェブ限定の掲載品で見ると、売上高は同24.5%増の151億2100万円になるなど、ECの伸長が目立った。
同社が今後展開していくのは、「実験」「IT・デスクワーク」「事務管理」「人・コミュニケーション」などの領域をサポートする「研究者を支えるアズワン・プラットフォームの進化」だ。
大規模ユーザー向け集中購買システム「ocean(オーシャン)」のほか、物販とのワンストップ型のレンタルサービス、物流手法の一つである巡回集荷の「ミルクラン」によるサプライチェーン全体の効率化などがある。
他にも、インキュベーション施設でのコンビニやメディカル向けECソリューションの実証実験、小中高の学校理科教材事業、食を扱う事業者を支援する通販サイト「アズキッチン」も始めている。
こうした施策に向けて、DX人材などのデータ技術者の育成にも着手。滋賀大学とデータ技術者育成の連携が始動している。
さまざまな施策やサービスの強化で成長を図っていく。