電解水生成器「レベラック」シリーズを製造・販売するエナジックインターナショナル(本部沖縄県、大城博成会長兼CEO)は今年6月、創業50周年を迎える。米国、インド、EUなど世界27ヵ国に拠点を展開しており、累計売上高は1兆円を超えたという。M&Aも積極化しており、沖縄県内には、ホテル、ゴルフ場、ボウリング場、飲食店、マンション、エビの養殖場などを展開している。最近では、学校法人大城学園がエナジックスポーツ高等学院の運営も行っており、沖縄県の高校野球の2024年の春季大会では初優勝を遂げた。野球とボウリングの実業団チームも持っている。米国ではこのほど、連邦認可の財団も設立したという。大城会長の生まれ故郷でもある沖縄・瀬嵩(せだけ)を訪ね、50周年を迎えての思いなどを創業者である大城会長に聞いた。
──50周年を迎えての思いを聞きたい。
成功するとは思っていたが50周年を迎えられるとは予測していなかった。あっという間だった。ソニーの「βマックス」を扱っていた時代に、VHSに負けて大欠損を出した経験があるため、常に危機感を抱き、「怠けてはいかん」「遊んでいかん」と自分に言い聞かせつつやってきた。これが継続できた要因ではないか。その後、還元水と巡り合い無借金経営を続けてきた。
──世界全体の年間売上高は?
グループ各社をすべて含めると1400億円ほどだ。これまでの累計の売上高は1兆円を超えている。
──国別の販売台数トップ5は?
累計でいうと米国、EU、インド、オーストラリア、カナダの順だ。米国の販売台数が70万台、EU、インドが30万台。オーストラリアとカナダが20万台といった感じだ。歴史がある日本も20万台くらいだ。世界全体では累計210万台。3割程度がウコンの健康食品だ。
──国内の現状は?
国内の販売台数は月600台ほどで売上高は年間30億円程度。ここにカートリッジの売上高も加わってくる。
2002年から世界展開
──世界展開を開始したのはいつごろか?
2002年ごろだ。当時は国内だけで、200億円程度売り上げていた。保守的な日本でこれだけできるなら米国に行けば倍にも10倍にもなるのではないかとワクワクした。その夢や情熱が伝わり感動して現地で動いてくれた人がいて広がった。
──ここまで海外展開に成功している国内ネットワークビジネス企業は他にない。秘訣は?
沖縄出身だったのが良かった。小さいところから世界市場を大きく見ることができた。ハンディーもあったが、逆境がかえってパワーになった。
──「もし失敗したら」と海外展開に後ろ向きになることはなかったか?
それはなかった。博打や投資をするわけではないので失敗のしようがない。それぞれの国で、組織作りを徹底すれば、計算上うまくいくのが分かっていた。特に所得の低い人が多くいるベトナム、フィリピン、インドなどではよく伸びる。人生逆転のチャンスとして捉えられている。
米国も格差が激しい。健康のために商品を買う愛用者と、ビジネスに取り組み成功したい人がはっきりしておりバランスが取れている。