キリンホールディングスは6月14日、健康食品や化粧品通販のファンケルを完全子会社化する目的で、普通株式と新株予約権を公開買い付けにて追加取得すると発表した。キリンホールディングスのファンケルの株式の保有率は現在、33%。100%の株式取得を目指す。キリンホールディングスがファンケルの株式を取得することにより、ファンケルは上場廃止することになる。
キリンは、長期経営構想「キリングループ・ビジョン 2027」において、食領域、医領域に加え、ヘルスサイエンス領域で 事業を立ち上げていた。顧客の健康課題を成長機会に変えることにより、「食から医にわたる領域で価値を創造し、世界の CSV 先進企業となる」ことを目指している。発酵・バイオテクノロジーと免疫の研究開発力により、ヘルスサイエンス事業をグループの長期的成長を担う事業に育成するべく強化してきたという。
2019 年にはファンケル株式の約 33%を取得し、資本業務提携契約を締結していた。2023年にはアジア・パシフィックで健康食品(ナ チュラル・ヘルス)事業を展開する豪州企業 Blackmores Limited(代表取締役社長:Alastair Symington、 以下 Blackmores)の買収も行い、海外市場における強固な事業基盤を獲得しています。
今回のキリンによるファンケルの完全子会社化により、国内外の事業基盤や購買データの相互活用の強化、共同研 究の深化、環境技術の水平展開など、現在の資本業務提携の枠組みを大きく上回る様々なシナジー効果が期待できるとしている。
ファンケルは、キリングループのヘルスサイエンス事業の中核事業会社として、強みの源泉である創業理念は変えることなく、ブランドの「ファンケルらしさ」を一層高めていけるという。
ファンケルの企業価値の最大化を目指すとともに、アジア・ パシフィック最大級のヘルスサイエンス事業へ成長するべく、両社が緊密に連携しながら事業を推進するとしている。キリングル ープ全体の成長を実現させ、企業価値の一層の向上に努めていくとしている。
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