梶原新会長は就任会見において、「通販市場の規模が大きくなっており、コロナ禍以降に通販を利用する消費者が増えている。通販業界は社会的に重要な位置付けの業界であり、社会的責務が生じている。これは基本であるが、消費者が安心して利用できる通販という原点をしっかりと振り返りたい。その上で、JADMAとしてテーマに掲げている『楽しく便利な』通販につなげていきたい」と述べた。
新たな運営のテーマについては、「さまざまな社会課題がある。少子化・後期高齢化にともない地方の過疎化などが進み、買い物弱者と呼ばれる人も増えている。そんな中、通販は弱い方々にも向き合う責務があると思う。そういった意味で、『人に優しい』をテーマにしたい。そして環境問題も深刻化している。資源の有効活用、配送の効率化などに取り組み、CO2削減、カーボンニュートラルの推進を含めて、業界として環境問題に寄与するということが大事だと思う。『地球に優しい』ということもテーマにしながら、今後の通販業界の発展につなげていければと考えている」(梶原会長)と述べた。
紅麹問題に端を発した機能性表示食品制度の見直しが進んでいることに対しては、「本当に機能性表示食品制度の問題であったのか、製造過程の問題もあったと思うので、本質的な部分が何だったのかを見ていきたい。法規制の問題も含めて、必要以上に業者が負担にならないように、行政に対応してまいりたい」(同)と話した。
梶原健司氏の略歴
1961年6月20日生まれ。1988年、千趣会に入社。2009年に同社執行役員、同社ファッション事業本部副本部長に就任。2011年に同社EC事業本部副本部長、2013年に同社販売企画本部副本部長を歴任し、2015年に同社取締役執行役員、同社ファッション事業本部長、SPAブランド事業本部長に就任した。2016年に同社東京本社代表、事業開発本部長、千趣会チャイルドケア代表取締役社長に就任。2018年に千趣会の代表取締役社長執行役員に就任。2019年に同社代表取締役社長に就任した(現任)。