高齢者向け宅配弁当などを展開するシニアライフクリエイト(本社東京都、高橋洋社長)は6月20日、札幌市で運営するFC(フランチャイズ)加盟店が配達時の安否確認を怠り、利用者が死亡したと発表した。重大な事案と受け止め、全加盟店に対して再発防止を徹底していく。
同社は、札幌市から「高齢者配食サービス事業」の業務を委託されている。6月7日と8日の2日間にわたり、配達先のサービス利用者から応答がなかったにも関わらず、緊急連絡をせずに弁当をドアノブにかけて退去した。その後、利用者宅を訪問した家族が室内で倒れているのを発見。死亡が確認されたというもの。
同社は、再発防止策の一環として、地域ごとに実施している加盟店を対象にした勉強会を挙げた。利用者が不在だった際の行動を確認するなど、サービス内容の基本に立ち返る研修を、定期的に実施していく考えだ。「当たり前のことを、当たり前にやっていく体制をつくる」(管理本部法務課)とした。
同社が展開する「宅配クック ワン・ツー・スリー」は、見守りサービス付きの高齢者向け宅配弁当だ。配達は対面の手渡しを原則とし、配達時には住宅外観の変化や会話時の異変に気付くことができるというのがサービスの特長だ。
6月20日に実施した札幌市長の秋元克広氏による定例の市長記者会見では、同社に対して、何らかの処分を下すことを検討していると言及があった。
同社は札幌市と「高齢者の見守りに関する協定」を2023年に締結した。今回の件で協定に影響が及ぶかは「今は分からない」(同)とコメントした。同社は、札幌市と同様の協定を全国150の市区町村と結んでいる。
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