1983年6月の営業開始から今年で41周年を迎えたフォーエバーリビングプロダクツ ジャパン(本社東京都)の2023年12月期は増収となった。「伝えよう、集まろう、楽しもう」を次期(2024年12月期)のスローガンに掲げている渡辺一夫カントリーマネージャー(副社長)に聞いた。
──2023年3月1日付でカントリーマネージャー(副社長)に就任して1年3ヵ月が経過した。この1年間で最も力を入れて取り組んできたことは。
2023年と今年、「伝えよう、集まろう、楽しもう」をスローガンに掲げて、FBO(フォーエバービジネスオーナー、会員)の皆さんに呼びかけ、会社とリーダーが一体となって、新規会員獲得とビジネス活動を盛り上げることと、愛用者の継続を進めている。また、インセンティブや新規ランクの達成・表彰を目指そうという活動に取り組んでいる。
もう一つは、ジーン・H・山形社長兼共同創業者とレックス マーン共同創業者が築き上げた「愛と感謝の文化」をしっかりと中心に据えて守りながら、中長期で成長させていくことを目指している。
売上高は1桁の増収
──2023年12月期の業績について。
売上高は1桁の増収だった。今期(2024年12月期)の5月中旬までにおいて、対前年同期比で増収を維持している。売り上げの構成比は、健康食品が7~8割を占め、スキンケアが2~3割となっている。
会員数は微増だった。購入者のデータベースを見ると、退会者数(3年連続製品未購入者)よりも新規会員数が上回っている。インセンティブやプロモーションの回数を増やしたことから、リーダー層やビジネスタイプのメンバーが購入してくれたため、顧客単価は上がっている。
FBOの年齢層は平均で70代。しかし新規会員は40~50代が増えており、特に50~60代が顕著に増えている。
──FBOや従業員へ調査を行っている。
毎月、FBOへアンケートを実施している。そして、不定期だが会員の家庭訪問調査をしている。会員の家庭に実際にお邪魔して、スマホで製品を購入する行動などについて観察・分析している。ウェブやSNS分析ツールも活用しながら、動画やコンテンツの改善につなげている。これを各部署で共有している。
実例としては、新製品として「サンスクリーン」「リキッドソープ」を導入したほか、「ミツバチパワー」プロモーションの再導入などを行った。
施策の中心は「伝えよう」
──次期(2024年12月期)の施策は。
「伝えよう、集まろう、楽しもう」のテーマを継続している。ビジネス施策の中心となるのは「伝えよう」で、新規会員を獲得するためのプロモーションを行っている。例えば特典として、スポンサーが獲得した新規顧客とともに、ランチ会への招待を実施している。また、セミナーの開催やリーダーとの協調を進めている。
「集まろう」では、入会後に健康的な生活を手に入れてもらうことに力を注いでいる。会員ランク昇格やインセンティブ参加を目標としてもらうために、全国10ヵ所にある営業拠点を活用し、会社主催のセミナーやリーダーのミーティングに使用している。訪問者数も増えて、製品購入も増えた。
──DX(デジタルトランスフォーメーション)推進のために実施していることは。
コスト削減と、前述した各種調査に基づく社内業務の効率化、品質向上を同時に進めている。
まず、FBOのために注文サイトや会員サイトの使いやすさとコンテンツの充実を第一義に考えている。
会員のデジタル利用の度合いや満足度を調査し、ウェブサイトのユーザーインターフェイスやユーザーエクスペリエンス、SNS投稿、デジタルコンテンツに反映している。
──4月にインドで開催したグローバルラリーは、どうだったか。
デリーのガンジーアリーナに、全世界から2万人のFBOが集まった。日本からは約150人が参加した。国別表彰では日本が第1位となった。世界1位となった日本のFBOも表彰された。興奮と熱狂を感じ取ることができた。
──現在の貴社の課題とその解決策は。
アロエベラの一般的な認知は、まだまだ低いと思う。アロエベラの認知が進まないとフォーエバーの認知も上がらない。まずは、アロエベラの認知を上げていきたい。その中でも、フォーエバーが最高の品質で信頼のおけるブランドとなりたい。
今回、米国のUSDAとEUの政府機関から、オーガニック農場の認定を受けた。フォーエバーのアロエベラ製品の優位性をうたって、リーダーシップをより高めていきたい。
──紅麹問題の影響は。
何らかの影響があったとは感じていない。当社では取り扱っていないし、サプリメントの売り上げは下がっていない。