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2024.07.05

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【通販化粧品トップインタビュー】ランクアップ 岩崎裕美子社長 「熱狂的なファンに支えられる会社に」

岩崎裕美子氏


ランクアップ(本社東京都、岩崎裕美子社長)は、化粧品のオリジナルブランド「マナラ」「アールオム」「アクナル」の開発・販売を行っている。2023年9月期の売上高は前期比6.3%増の127億6000万円だった。「熱狂的なファンに支えられる会社になる」ことを目標に掲げているという。成長を続ける同社の岩崎裕美子社長に話を聞いた。



「思いを伝える」を重視


──事業展開において大切にしている点は。

私たちは、「熱狂的なファンに支えられる会社になる」ことを目標に掲げている。当社のブランドを愛用する”同志”として、理想をかなえるため共に歩めるようなお客さまを増やしていきたいと考えている。

そのため、事業においては、自社ブランドを愛する私たちの「思いを伝える」ことを重視している。

サイトや会報誌、ライブ配信などさまざまな接点を活用している。

商品を売るために何かを仕込むというより、”思いを伝えること”を何よりも大切にしている。

会報誌は、2ヵ月に1回の頻度で制作している。商品開発の、背景や思い、商品の使い方を中心に、それ以外のコンテンツも豊富に盛り込んでいる。

──サイトづくりのこだわりを教えてほしい。

ECサイトでは、すべての商品について、開発者が顔を出す形で、「開発秘話」を掲載している。

”誰のどんな悩みを解決するために生まれたのか”、製品を生み出すに至った実話をそのまま掲載している。

しかし、「もうけよう!」「売れそう!」といった理由で、解決したかも分からない、不特定多数の人の悩みに向き合うことはできない。

たった一人に向き合うからこそ、悩みの解決にコミットできる。

当社の企業理念は、「たった一人の悩みを解決することで、世界中の人たちの幸せに貢献する」である。

実際、当社が製品開発を始めるきっかけはいつも、「たった一人の悩み」だ。

一人の悩みに真剣に向き合って開発を行った結果、何十万人もの悩みを助ける製品が誕生している。
 
──御社の看板商品「ホットクレンジングゲル」も、一人の悩みから生まれたのか。

温感クレンジングゲル「ホットクレンジングゲル」は、私自身の肌の悩みから生まれた。「人生が変わるクレンジングをつくりたい!」と考え、リリースするまでに、100回以上の試作を重ね、開発を行った。

累計販売個数は、2300万個を突破している。日本を中心に、世界でも展開している。
 
この商品は、美容液成分を91.3%配合している温感クレンジングゲルだ。植物由来の「グリセリン」が湿度に反応して温かくなることで、肌を温めながらロールアップ効果でメークや汚れをしっかり絡め取る。メークや毛穴汚れがスッキリと落ちるが、しっとりとした洗い上がりの使い心地でもある。

2006年の発売以来、11回リニューアルを実施し、常に成分・製法の変更を重ねてきた。2021年3月には、クレンジング時にマッサージができるようにリニューアルし、「ホットクレンジングゲルマッサージプラス」として発売した。

定期契約での購入が非常に多い。

定期便は20%オフで購入でき、回数・期間のしばりもない。送料も無料になる。解約は、サイトのマイページから簡単に行える。お客さまが安心して定期便を利用できるようにしている。

──”会える通販”とは。

「もっとお客さまの声をお聞きしたい!」「もっとお客さまのことを知りたい!」「もっと当社のことをお客さまに知ってほしい!」という思いから始まった。

通販事業を展開する中で、なかなかお客さまとお話しすることが難しいという悩みがあった。

そこで当社では2018年頃から、”会える通販”を掲げ、お客さまとのコミュニケーションを積極的に行っている。
 
現在、オンラインイベント「マナライブ!」、東京・銀座のショールーム兼カウンセリングルーム「マナラビューティールーム」「オンライン美容相談室」などを展開している。

今後も”会える通販会社”として、さまざまなツールや方法で、お客さまとコミュニケーションを取ることができるようにしていきたい。


【記者の目】
ランクアップでは、顧客を”ブランドを愛用する同志”として捉えているそうだ。

同社では、マナラ化粧品の1年間の累計購入金額が税込8万円以上の場合、「マナラブ様」として、特別な特典やサービスを提供する会員制度を設けている。「マナラブ様」向けの特別な冊子「マナラブ+(プラス)」も別途制作し、限定の情報やプレゼント企画などを公開しているという。

「マナラブ様」は、ランクアップの従業員にも多いそうだ。

自社のブランドを普段から愛用する社員が多いのだという。そうしたメンバーが、会報誌やサイトづくり、イベント開催などを行っている。

「ファンが一番大事チーム」という名のチームもある。

さまざまなテーマを設けた座談会や、ロイヤル顧客とのランチ会の開催など、ファンとのコミュニケーションに注力する専門の部隊を設けているという。

同社の顧客は、ブランドを愛用する同志の、リアルな熱い思いや、一人一人の悩みに徹底的に向き合い続ける姿勢を知り、胸を打たれファン(同志)となっていくのだろう。




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