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2024.07.05

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【通販化粧品トップインタビュー】〈成長するコスメECモール〉ZOZOブランド営業本部ブランド営業一部ディレクター・東奈里香氏、EC推進本部カテゴリ推進部ディレクター・青木俊祐氏 「ZOZOCOSME」取扱高100億円突破

ZOZOが運営するコスメ専門モール「ZOZOCOSME」は、2024年3月期に商品取扱高(GMV)が100億円を突破した。2021年3月の開設から成長を続ける要因は、「ZOZOTOWN」との連携だけではなく、AR技術の活用や、幅広いブランドの品ぞろえなどにあるという。2025年3月期はリピート率を高め、GMV130億円を狙う。これまでの振り返りや今後の施策について、ブランド営業本部ブランド営業一部ディレクター・東奈里香氏とEC推進本部カテゴリ推進部ディレクター・青木俊祐氏に聞いた。


ーー2024年3月に開設から3周年を迎えた。好調に推移している要因は。

東:「shu uemura(シュウウエムラ)」などのデパートブランドや韓国ブランドなど、幅広いジャンルのブランドの出店が強みとなっている。ユーザーが色々な切り口でコスメを探せるようになった。ブランドの意向を取り入れつつ、トレンドを素早く反映した発信やイベントも効果的だ。

「ZOZOCOSME」のメインユーザーはZ世代やミレニアム世代の女性。ブランドにとっては、「ZOZOCOSME」を新たな接点として若年層にも訴求ができると好評の声もあった。

青木:アパレルアイテムを販売する「ZOZOTOWN」からの導線を作り、「ファッションの中のメーク」として、コスメも併せて買えるようにしている。

コスメはアパレルと異なり、タイムセールやクーポンの配布といった販促をあまりしない。売り方の工夫として、例えば2023年11月の「ZOZOCOSME韓国WEEK」といった企画を実施したところ、韓国コスメの売上高は過去最高となった。

ーー「ZOZOCOSME」独自の施策の手応えは。

青木:アプリ上でARを活用し、一部の商品を自分の顔で試せる「ARメイク」はユーザーからも好評だ。「ARメイク」に対応するブランドを増やしていきたい。

インフルエンサーがメークのコツを紹介した動画企画は、リピーターだけでなく新規顧客による視聴も多かった。現在は色々な施策を試しながらユーザーの反応を確かめる段階にいると思う。今後はメーキャップアーティストなどによるノウハウ動画も強化していく。

東:ブランドと連携し、気軽に試せるミニサイズの商品もそろえている。特集ページからの流入が多く、商品別では香水が特に人気だ。

2023年11月にリリースした「アイテムレビュー機能」は購入の後押しにつながっている。レビューには購入者の肌タイプやパーソナルカラー、肌の悩みなど、コスメ特有の情報も項目に入っている。


リピート促進へ

ーー今後の目標や取り組みについて聞きたい。

青木:コスメはアパレルと異なり、同じ商品のリピートや色違いで購入することが多いため、コスメ用のサイトとしての使いやすさを追求する。MA(マーケティングオートメーション)も強化したい。

東:リピート率向上に向けた取り組みを強化する。特にスキンケアアイテムはリピートしやすいため、ニーズに合わせた商品をそろえたい。

「ZOZOCOSME」のメインユーザーはファッションに関する感度が高い人が多い。これからもブランドと連携し、トレンドに合わせた情報発信や企画を続けていく。



【記者の目】
筆者の経験として、アパレルやコスメは品数が多いほど、見て楽しむだけで満足してしまい、購入まで至らないことが多い。特にコスメは「使い切れない」「自分に合う、似たようなアイテムをすでにいくつか持っている」と購入を控えるようなハードルが意外とあるように感じる。

そこでインタビュー中に「どのようにハードルを越えているのか」を聞いたところ、動画企画やトライアル商品について話してもらった。「自分にもできそう」「少量だったら試したい」と顧客の心を動かすことが購入につながっている。

ZOZOは「ファッションの”こと”ならZOZO」の姿を目指しているという。ファッションは必需品でありながらも「楽しさ」が購買の鍵となっていることから、これからのZOZOの取り組みも楽しみだ。




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