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2024.07.05

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【通販化粧品 トップインタビュー】〈成長するコスメECモール〉eBayJapan Beauty&Food 営業本部部長・米川由満氏 ブランド訴求できる「Qoo10」に進化する

eBay Japan(本社東京都、グ・ジャヒョン代表)が運営する「Qoo10」は、化粧品(コスメ)に強いECモールとして知られている。Z世代と呼ばれる若年層の顧客に、韓国コスメや国内コスメがそろう売り場として認知されている。お得さが魅力の「Qoo10」だが、今後は価格訴求だけではなく、ブランドの魅力を発信できる売り場に進化していく方針だという。「Qoo10」のコスメ領域の現状や戦略について、Beauty&Food 営業本部部長・米川由満氏に聞いた。


ーーコスメECの中には、商品取扱高が100億円を超え、コスメECで最大手クラスに成長したと言う企業もある。「Qoo10」はコスメに特化したモールではないが、流通規模や特徴は、他のコスメECプラットフォームと比べるとどうなのか。

ファッションECや百貨店が運営しているコスメECなど、さまざまなサービスがあると思うが、「Qoo10」も含めた、それぞれの売り場の特徴は異なっていると思う。「Qoo10」はブランドの公式ショップもあれば、リセラーと呼ばれるショップも出店している。価格訴求をする商品群と、ブランドの魅力を伝える商品群とがある。

最近の若い世代の購買行動が変化しており、SNSで商品と出会うケースが増えている。「Qoo10」はZ世代と呼ばれる若年層の顧客を多く抱えており、SNSとの親和性の高さも特徴だ。

単純な流通額でいえば、コスメECに強いモールとしては、最大規模に成長していると思う。

ーー「Qoo10」は韓国コスメの品ぞろえが充実しているが、他のモールでも韓国コスメの取り扱いを強化している。韓国コスメでの差別化はできているのか。

韓国コスメは今では定番化しており、以前は「Qoo10」でしか買えなかったブランドもさまざまな場所で買えるようになってきた。

そんな中で昨年から、「Qoo10」でしか買えない商品を「Qoo10 ONLY」というタグを付けて販売に注力している。韓国コスメの販売店さまも「Qoo10 ONLY」を積極的にご活用いただいており、その効果が出ている。

消費者にとっても分かりやすく、「Qoo10」としても露出を高めたりしているので、販売店さまにとっても有効に使える施策だと思う。

国内ブランドを強化

ーー国内ブランドの出店も増えていると思うが、その状況は。

店舗数でいうと国内ブランドの公式ショップの方が、韓国コスメよりも多い。ただ、誰もが知っているようなブランドの出店はまだまだ少ない。

コンシューマープロダクツと呼ばれるドラッグストアなどで販売されているブランドは数多くご出店いただいている。制度品と呼ばれるカテゴリーのブランドからも関心は持っていただいて、その一部が販売を始める予定だ。ハイエンドのラグジュアリーブランドも興味は持っていただいているが、まだ販売には至っていない。段階的にブランドの取り扱いを広げている。

ーーブランドの公式ショップの見せ方などを変えていく計画は。

今度、ブランドの公式ショップとそれ以外のショップをどうすみ分けしていくべきかを考えている。価格訴求していく部分と、ブランドを打ち出す部分をどうプロモーションしていくのがいいのかを検討している段階だ。

国内メーカーさまから、さまざまな声を聞き、「Qoo10」に足りないところや、今後の「Qoo10」に期待することなどを踏まえて、どう反映していくかを考えていく。

リアルイベント開催

ーー7月13・14日には東京ビッグサイトで初のビューティに特化したオフラインイベント「MEGA COSME LAND」を開催する。このイベントへの注目度は。

「MEGA COSME LAND 2024」は各ブランドにブースを出していただき、オフラインで「Qoo10」を体験してもらうというイベントだ。ライブショッピングやルーレットでクーポンをもらえるサービスなど、オンラインで提供している施策をオフラインでも体験できる。

ブランドさまからも、商品を体験したお客さまの反応を生で見られる機会は貴重だと思っていただけているようだ。注目のブランドが集まるため、コスメ好きの新たな顧客との接点にもつながると期待していただいている。

「ライブショッピング」スタジオでもオフラインイベントを実施することがあり、「メガ割」期間中に1500人くらいのインフルエンサーや一般のお客さまが来場している。コスメを実際体験したり、その様子を配信したりする姿を見ている。「MEGA COSME LAND 2024」では、さらに著名なタレントやモデル、インフルエンサーのライブショッピングを会場から配信する予定もあり、来場者さまに喜んでいただけるだろう。

ーー今後、コスメ領域で強化していくことは。

モール全体の品質を上げるためにも、ブランドの公式ショップの強化が必要だと考えている。価格訴求もある程度は必要だと思うが、ブランドさまからするとストーリーやその魅力を前面に出したいと考えていると思うので、そういった部分の見せ方の工夫が必要だと考えている。

幅広い顧客層に向けた品ぞろえも強化したい。現在は若い女性の顧客に向けた商品が多いというイメージが強いと思うが、そこも維持しつつ、「Qoo10」に来たら化粧品が全部あるというイメージにしていきたい。もっと年配の方や男性も含めて幅広い顧客に向けた商品をそろえたい。



【記者の目】
「Qoo10」はコスメに強いECモールとしてZ世代と呼ばれる若年層に強く支持されている。その魅力は価格に加えて、買い物に楽しさを提供する機能・サービス、ここでしか買えない商品にある。年4回開催する「メガ割」もキラーコンテンツになっている。

国内外の有力ブランドにとっても「Qoo10」が抱える若年層の顧客は魅力的だ。新規顧客の獲得が難しくなりつつある中で、多くのブランドが「Qoo10」で新しい若年層の顧客を獲得したいと思うだろう。

ただ、価格訴求をしたくないブランドも多い。そういったブランドに対して、「Qoo10」が今後、どのような売り場を提供できるのかが、注目ポイントとなるだろう。




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