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2024.07.05

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【通販化粧品 トップインタビュー】ビタブリッドジャパン 大塚博史社長 「紅麹の逆境下でも『最適な体験価値の提供』貫く」

化粧品や健康食品のECを展開しているビタブリッドジャパン(本社東京都、大塚博史社長)は、ヘアケア・スキンケアシリーズ「ビタブリッドC」や、糖質ケア訴求の機能性表示食品「ターミナリアファースト プロフェッショナル(以下ターミナリア)」を扱っている。「ターミナリア」は、2024年2月時点の累計販売個数が777万個になったとしている。サプリのEC市場では、小林製薬の紅麹問題が大きく影響している。大塚社長は、「紅麹問題は、近年では健康食品市場で最大クラスともいえる事件だが、われわれとしては、適切な商品開発と、適切なコミュニケーションをしていくだけだ」と話す。



糖質ケアでシェア1位


─ヒット商品「ターミナリアファースト」について知りたい。

2019年に発売した「ターミナリアファースト プロフェッショナル」が好調だ。2024年2月期の業績においても、「ターミナリア」がけん引してくれた。

「ターミナリア」は、ダイエット訴求の機能性表示食品としては、他メーカーの商品と比べて後発だが、あるシンクタンクの調査で、市場のシェア1位を獲得するなど、かなり売れている。

売れている理由は、商品の価値が時代にフィットしているからだと考えている。当社では、あらゆる媒体で、クリエーティブを絶えず変えながら、出稿している。ただ、広告でのコミュニケーションでは購入しないお客さまも一定数いる。商品のストーリーを作るなど、コンテンツマーケティングを行っている。

商品の品質が高いのは当然。お客さまがそこで体験したことが、お客さまの中で「ブランド」を作る。体験価値こそがブランディングだと考えている。
「ターミナリア」に次ぐ商品として、2023年には、「ジャパンプレミアムDHA・EPA&GABA」を発売した。「ターミナリア」よりも、ターゲットは10歳程度上の層に設定している。「ジャパンプレミアム」の売り上げは好調で、事業のポートフォリオの中でも重要な商品となってきている。
今後は、当社の中の事業として、研究分析を行っていきたい。独自に研究を行い、オリジナルの、機能性関与成分やヘルスクレームを作ることができれば、大きなチャンスになる。

「誰にでもいい商品」ではなく、「一部の人に深く刺さる商品」を複数展開していく。最大よりも最適を追求する、「便益独自性」を追求していく。


近年で最大の事件


─紅麹問題の影響はあるか。

3月に発生した紅麹問題は、近年の健康食品市場では、最大クラスともいえる事件という印象だ。小林製薬の製造工程の問題だと言われているが、機能性表示食品市場全体が不安にさらされている。

当社でも、新規顧客の獲得効率が、完全には戻っていない状況だ。
私は20年以上健康食品の通販に携わっているが、こうした問題の多くは、大手メディアの報道が沈静化してから3カ月程度で、お客さまが戻ってくるという傾向がある。

紅麹問題について、大手メディアの報道がいつ鎮静化するかはまだ分からないが、年内には正常化することを期待したい。

紅麹問題をポジティブに捉えることもできる。

今まで他のサプリメントを購入するきっかけがなかったお客さまが、今回の騒動をきっかけに、別の商品の購入を検討する機会になったともいえる。

われわれとして、やることは同じだ。品質管理を徹底した上で、お客さまの可能性を広げ、誰かにとっての最適な価値を提供し続けられるよう尽力していく。




 

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