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2024.07.04

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【通販化粧品 トップインタビュー】アイスタイル 執行役員・販売販促事業ユニット長 本橋未来氏 「EC・店舗の併売率高まる」

アイスタイルは、月間ユニークユーザー数1900万人(2023年6月時点)の口コミプラットフォーム「@cosme(アットコスメ)」を運営している。「アットコスメ」と連携した化粧品ECサイト「@cosme SHOPPING(ショッピング)」も展開している。最近では、実店舗の顧客のEC利用も増えているという。同社の23年6月期連結業績におけるEC売上高は、前期比16.3%増の108億4600万円だった。同社の執行役員兼販売販促事業ユニット長の本橋未来氏に話を聞いた。



セールイベント好評


─直近の業績について聞きたい。

23年7月―24年3月期(第3四半期)におけるEC売上高は、前期比約30%増の101億5400万円だった。

毎年12月に開催しているセールイベント「@cosme BEAUTY DAY(アットコスメビューティーデー)」が今期も盛況だった。

実店舗売り上げも拡大を続けており、同第3四半期の店舗売り上げは前年同期比約50%増の203億6200万円だった。

そのため、EC・店舗への送客に着手した。イベントでは、店舗しか利用したことがなかった顧客に対して、初めてECを利用してもらえるような取り組みにも注力した。具体的には、新規クーポンの発行や、アプリでのコミュニケーションの強化などを行った。ECと店舗で同様の企画を実施する取り組みなども行った。

そうした結果、EC・店舗の併売率が高まったことも成長の一因となった。

─今期の「@cosme BEAUTY DAY」はどうだったか。

過去最高の流通総額を達成し、成長に大きく寄与した。

出荷作業などが集中するセールイベントに向け、在庫数の調整や、倉庫との連携などについて改善を重ねてきた。出荷予定日の連絡をこまめに行いお客さまの不安を解消するなど、コミュニケーションの充実も意識した。

当社のECは、”化粧品が大好きな人たちに向けて、喜んでもらえるサービスを提供すること”を重視しており、同セールでも、リピーター向けの取り組みをさらに強化した。

24年6月1~7日には、「@cosme SPECIAL WEEK(スペシャルウィーク)」を開催した。毎年6月にEC・店舗で実施しているセールイベントで、今回で6回目の開催だった。

─ライブコマース番組「教えて!美容部員さん ライブショッピング」について聞きたい。
 
毎週配信している。平均視聴者数は数千人に及ぶ。当社の店頭で働く美容部員が、リアルの接客技術をベースに視聴者とコミュニケーションを取っている。

売り上げは成長を続けているが、セールスというよりも、「コミュニケーションツール」として展開している。LTV向上にもつながっている。

「@cosme SPECIAL WEEK」など大型セールイベントでは、「教えて!美容部員さん ライブショッピング」との連動企画も実施した。

最近では、ティックトックも力を入れている。順調にフォロワーも増えている。「美容部員」という強みを生かしたコンテンツを展開している。例えば、美容部員全員にアンケートを取り、「美容部員が好きなパックのランキング」などを、動画で配信している。各店舗のスタッフのポーチの中身を紹介するといった企画も人気だ。

─今期のEC事業の展望や、注力する点についても聞きたい。

アプリをハブに、EC・店舗の併売率が高まっている。EC・店舗のどちらも使ってもらうための成功パターンも、見えてきたので、今後さらに力を入れていきたい。

ECサイトへの流入は、口コミプラットフォーム「アットコスメ」や、オーガニックの検索などだ。その他では、アプリ経由の利用も多い。アプリをダウンロードした人が、ECを利用するケースが増えている。

アプリを使ったコミュニケーションは、引き続き強化していく。

何より、ユーザーとブランドの出会いを大事にしたい。ECで気軽に新しい商品を試せるように、サンプルやミニサイズを拡充するなど、品ぞろえを強化していく。

「美容品」に特化したプラットフォームだからこそ、「美容・コスメが好きな人たちが何を求めているか」という点を追求しながら、サービスや購買体験を提供していきたいと考えている。




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