ネットワークビジネス大手のフォーデイズは、1997年の創業以来、「核酸栄養」のリーディングカンパニーとして大きく成長を遂げた。約3年間のコロナ禍で、対面での人とのつながりが難しくなっていたが、今後は原点に立ち返るとともに、サロンを活用した、居心地のいいワクワクさせるイベントの継続に軸足を置くという。和田社長に業界の変化や課題解決について聞いた。
――御社は1997年4月に創業した。当時と比べて、ネットワークビジネス(NB)業界を取り巻く環境で大きく変化したと感じる点は?最大の変化は、スマートフォンに代表される通信機器が登場したことによるものだと思う。新たな通信機器が台頭したことで、取扱製品も多様化した。以前は化粧品、健康食品や耐久消費財といった”モノ”を販売する企業ばかりだったが、今ではSIMカードのような通信関連や役務サービスを取り扱うNBが出てきたことは大きな変化だと思う。
日本社会が高齢化してきたことも変化の一つ。健康食品を販売する当社にとっては必ずしも逆風ではないが、高齢者への販売に対する規制は厳しくなっており、十分に配慮する必要がある。
――コロナ禍は御社のビジネスにどのような影響をもたらしたか?オンラインはスピード感という部分では非常に利点があると思うが、直接対面して製品の良さを”熱”を持って伝えるというNBの強みが曖昧になるように感じる。
――コロナ禍を経て、人とのつながりの重要性が改めて着目されている。人と人とのつながりを深めるには、原点に戻るしかない。以前は、目玉になるようなイベントを開催すれば人は集まってくれたのだが、その場限りのつながりになってしまうことも多く、深い繋がりを維持していくためには連続してやっていく必要があると感じた。一方的に何かを伝えるのではなく、参加した人が話し合える双方向性が重要。これを継続することが大事だと思う。そのための場所を提供することも重要だ。当社も全国11カ所でサロンを運営しているが、もっと人が来たくなる居心地の良いサロンを目指したい。
当社のサロンにはキッチンスタジオを設けている拠点もあり、参加者で料理をして一緒に食べたりしている。コロナ禍で制限をかけていたが、参加者が一緒に何かをするという体験型イベントも重要だ。居心地がいい、ワクワクするイベントを継続的に進めるために、まずは本社が企画して運営し、その後は会員主導でより良いイベントにブラッシュアップしていければと考えている。
――12月に核酸ドリンクの10世代目のバージョンアップ製品を発売する。製品を改良する際に心がけていることは?核酸という栄養素の重要性を、より多くの皆さんにご理解いただくことが第一義だ。そして、これまで20年以上積み重ねてきた研究成果を製品に応用し、最高の製品を誠実に提供し続けることが、お客さまに対する誠意だと思う。モノづくりに対する真摯な企業姿勢を理解いただけるよう、常に先に進み続けながら、お客さまの安心感につながる努力を重ねている。
――学術機関との共同研究など、エビデンスの取得に力を注いでいる。今年も二つの特許を取得し、申請中のものもある。4年前から東京農工大学内に「次世代核酸ラボFD」を設立し、産学連携で核酸を研究している。今は12大学16研究室と共同研究している。
――製品展開の将来像について。既存の流通を強化するために新しい商材を入れていきたい。犬用サプリメントの投入もその一環だ。今まで接点を持てなかった消費者とのタッチポイントを増やすための製品を流通させたい。それが会員の収益につながっていく。
――業界のイメージはいまだに改善できていないという現状を打破するために必要なことは何か?事業として成立していることを見せるためにも、売り上げは重要だ。今の社会情勢にあわせて成長できていることを、具体的に見せられるかどうか。また社会貢献への注力も大事だと思う。
――NBの社会的役割についてどのように考えているか?人とつながることのできる場所、コミュニティーを提供できるということ。社会課題でもある格差社会の中で、平等なチャンスがあり、努力がきちんと実るビジネスだと思う。NBを通して幸福を感じていただけるよう、事業を継続していきたい。