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2023.11.28

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朝日ソーラー 林武志社長「誠実に太陽に恩返しを」【40周年記念 特別インタビュー】

朝日ソーラーの林武志社長



太陽熱温水器の訪問販売のパイオニアである朝日ソーラーは、1983年3月の創業以来、41年にわたって訪販事業を展開してきた。一時期はグループ売上高が600億円に迫る勢いだったが、その後、行政による社名公表などもあり、苦戦を強いられた時期もある。「お日さまを味方につける」「太陽に恩返しする」をキーワードに、不撓不屈の精神で、時代の荒波を乗り越えてきた同社の林社長に話を聞いた。




――創業以来、これまで41年間の業界・市場の変化をどう見ているか?

太陽熱温水器業界で言うと、撤退する事業者が多くなっており残念だ。当社が二十数年前に社名公表され、太陽熱温水器のイメージを真っ逆さまに急落させてしまったことが、撤退の遠因にもなっている。贖罪(しょくざい)の気持ちだ。

地球の沸騰化対策の分かりやすい選択肢としては太陽光発電もあるが、費用対効果など問題点も複数ある。その点、太陽熱温水器は、地味ではあるが、30万円前後で購入でき、かけた費用に対して、誠実にお返しがある。この目立たない存在を誰かが懸命に押していかないと、太陽熱温水器の素晴らしさが伝わっていかない。太陽熱温水器を、地道に、販売、施工、アフターケアする企業が必要だ。それこそが朝日ソーラーの存在する大義だ。

――時が経っても変わらない「大切なもの」は?

太陽を味方につけて、太陽から理解されて事業展開をすれば、つぶれることも倒れることもない。その考えは40年前から何も変わっていない。太陽を信じて太陽を味方につける。我々にできることはこれしかない。日陰から日向に出ると、温かくいい気持になる。世界共通の感覚だろう。

今後石油が安く買い続けられるとは考えづらい。代替が必要とされる中で、安価に購入でき、かけたお金が誠実に返ってくる太陽熱温水器は有効な選択肢だ。太陽を裏切らなければ太陽が必ず背中を押してくれる。社員には常々そう言っている。

――訪販という業態についてどう考えるか?

訪販が神代の時代から嫌われていることは知っている。ただ、訪販でしか伝わらないこともある。当社のような商材は、ネットで右から左に売れるわけではない。屋根の形や配管の問題などもあり、付帯工事・取り付け方法などが、一軒一軒異なる。「南向きの屋根の写真を送ってください」と言っても分からなかったりする。お客さまの多くは高齢であるためなおさらだ。そういった際には、お客さまをお助けする、われわれの、最後の売りの一声が重要だろう。

ただ、トントンとノックをして販売する訪問販売の割合は、当社の中でもかなり少なくなっている。お客さまのほとんどが、既存のお客さまからの紹介や買い替えだ。

――訪販の魅力は?

私自身、ルートセールスの世界からこの世界に入ったが、訪問した当日に契約を即決するスタイルに最初は戸惑った。ただ、自分自身が販売活動を行う中で、それが本当の顧客満足につながることを体感。それが、私がこの業態に目覚めた瞬間だった。その後、1日6件、7件、8件と契約を取る日々を経て今に至っている。

――2024年の展開についても聞きたい・

2024年は、新しい支店の開設などは一旦止めて、人や中身の拡充に取り組みたい。支店の精度アップを図りたい。

――拡充の具体的な内容は?

具体的には営業・工事部の倍増。大分の研修センターを利用しながらの教育の拡充、工事部の精度アップにも取り組みたい。営業のフォローアップや、各種資格の取得にも取り組ませたい。地盤を固める1年だ。600億円を売り上げた時もあるが、今が本当に経営を行っていると感じている。「1円を稼ぐことの難しさ」を実感している。

――林社長と朝日ソーラーの「夢」について聞きたい。

太陽を味方につけて誠実に太陽に恩返しをする会社であれば、倒れることはない。また、倒れるようならば、林武志の名が廃る。そういうことしか朝日ソーラーに残せなかったということになる。朝日ソーラーを長く続く会社にするため、次の社長は、まだ本人にも言っていないが、すでに決めている。社長の最後の仕事は、次の社長を作ること。それが夢だ。次期社長は若手で、頭も良く行動力や人望もあり、いちいち理に適っている。彼に、社長の喜び、苦悩、考え方を少しずつ伝えている。これからも、お日さまに恩返しをする会社であり続けたい。




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