アスクルの2024年5月期におけるBtoBとBtoCを合わせたeコマース事業の売上高は、前期比5.8%増の4623億7400万円だった。2025年5月期中に策定する予定の新たな中期経営計画では、「オフィス通販からのトランスフォーメーションは継続し、全ての仕事場と暮らしを支えるインフラ企業になるため、物販以外の領域への参入を推進する」(取締役CFO 玉井継尋氏)との内容を盛り込む予定だ。
2024年5月期におけるeコマース事業の営業利益は同14.4%増の170億9700万円になった。BtoB事業は「利益成長カーブを変える」という目標を達成。日用品EC「LOHACO(ロハコ)」は通期黒字を継続している。
BtoB事業の売上高は同9.4%増の4091億4300万円だった。コロナ関連商材の特需の減少や注文数の計画未達などの影響はあるものの、主力商品の一部の価格改定による購入単価の上昇により、中小企業向け、中堅大企業向けとも売上高は増加した。
2023年2月に連結子会社化したAP67の事業子会社であるフィードの業績が当連結会計年度を通じて寄与したことや、連結子会社であるアルファパーチェスの業績が順調であったことも、BtoB売上高の成長に寄与した。
BtoC事業の売上高は、同15.8%減の532億3000万円だった。「LOHACO」の売上高は、同21.7%減の361億6000万円となった。LINEヤフーのコマース事業のコスト最適化によるキャンペーン変更が影響し、期首計画通りの減収となった。営業利益は同14.4%増の170億9700万円になった。
「2025年5月期の「LOHACO』は約5%の売り上げ成長を目指す。生活雑貨や日用品の品ぞろえ拡充、パーソナライズゼーションの強化、LYPプレミアム会員に向けた販促強化などに取り組む」(吉岡晃社長)と話す。
2025年5月期におけるeコマース事業の売上高は、同6.1%増の4904億円を計画している。営業利益は同4.3%増の178億円を予想している。
「ASKUL関東DC」の運営や、基幹システムリプレイスなどのプラットフォーム構築の固定費増を吸収し、過去最高の売上高・営業利益を目指す。