サービス開始から1年で、「タイムパフォーマンス」に関心の高い世代から支持を得たといい、会員数は約21万人に達した。会員の居住地の約6割が都内、3割が千葉県、1割が神奈川県となっている。
サービス提供エリアは現在、東京13区と千葉県の5市、神奈川県川崎市など。都内ではイオンの店舗が少ない世田谷区や港区、大規模マンションが多い湾岸エリアに住む共働き世帯の30~40代や、子育てが落ち着いた50代が多いという。
前の配送宅を出発すると、配送時間が事前に通知される仕組みを取り入れて利便性を高めた。また、一部地域では7~9時台の配送ニーズが高いこともあり、朝6時に配送するサービスも試験的に開始した。
配送業務を担うイオンネクストデリバリー(本社千葉県)は女性スタッフの比率が13%に拡大した。イオンネクストデリバリーの野澤知広社長は「接客や運転技術については時間をかけて研修を行っている」と強調した。
千葉県内の顧客フルフィルメントセンター「誉田CFC」については、来年春に新たに30台の最新ロボットを導入するほか、7月中にはこれまで手作業だった商品ラックへの詰め込み作業を自動にして省力化する。
5月には中継拠点「スポーク」を東京・荒川区に、8月には板橋区に開設する。これにより、板橋区、豊島区、練馬区にサービスエリアを広げる。今秋には都内の豊洲や葛西、千葉県市川市にもスポークを新設する。
「食べごろ+(たべごろぷらす)」
イオンネクストは7月3日、食べごろの期間を保証する「食べごろ+(たべごろぷらす)」を発売した。キウイやメロン、アボカドから始めていく。プロが考える「食べごろ」で届け、一定の食べごろ期間を保証する。複数の果物の食べごろ期間を印字して保証するのは業界初だとしている。▲ 「鮮度+(プラス)」
「鮮度+」については野菜が顧客から好評で、累計販売数が約25万点に拡大した。今後も旬のフルーツの取り扱いを増やしていく。
また、「鮮度+」については、今夏をめどに、畜産品の冷蔵商品の販売を始めて、今年度には30品目に拡大する。イオンネクストの太田正道副社長は「ネットスーパーではなく、ネット専用のスーパーだからこそ、新鮮なものが届くという価値を提供していきたい」と話した。
【イオンネクスト 太田正道副社長 一問一答】ここでしか購入できない商品を
──初年度の手応えは。新しいブランドのため、サービスの認知拡大がマーケティングの優先課題になる。グループ企業の協力もいただきながら会員数を21万人まで拡大することができた。
▲太田正道氏
当社も含めて生鮮食品ECの課題は、お客さまに継続的に利用してもらうことだ。例えば、雨が降ったら購入しないのではなく、日々の利用を促していくことが重要だ。そのためには、取扱商品に磨きをかけていくことで、ここでしか購入できない商品を増やしていくことが重要だ。
──配送員の人材確保が課題とされるが。
グループの店頭で商品をピックアップするニーズはある。今後はユーザーの利便性を考えた時に十分に検討していく必要がある。