【2024年版 化粧品訪販・NB売上高ランキング】
大手の減収基調続く
2023年の化粧品訪販市場では、ポーラや日本アムウェイなど大手が減収となった。化粧品の売上高を明らかにしていない大手においても、横ばいか減収となった企業が多かったようだ。
化粧品の訪販・サロン販売大手のポーラでは、2023年12月期において、販売員やサロンショップ数の減少が続いた。
2023年12月末時点で2万3000人だった販売員数は、2024年3月末時点で2万1000人となり、2000人減少したという。
ショップ数は、2023年3月末時点から、2023年12月末までに約100店舗が減少したという。
コロナ禍においては、サロンへの来客が減少し、サロンショップの経営が厳しくなった。アフターコロナになっても集客がすぐに回復しなかったことで、閉店を決断したり販売員をやめたりするケースが増えたとみられる。
大手が減収する一方で、中堅クラスのシーボンやヤマノビューティメイト、CPコスメティクスといったサロン販売企業からは、「販売状況がコロナ以前と同水準に回復した」とする意見が聞かれた。
ナリス化粧品やエフエムジー&ミッション、ナガセビューティケァといった訪販主体の企業も、「売上高は前年と横ばいになった」と言う。健康食品やメーク品など、スキンケア以外のニーズは高まっているとみられ、アフターコロナの好影響は生まれつつあるようだ。
アンケートで訪販・ネットワークビジネス(NB)企業からは、「リアルイベントを開催したことが、販売員の増員や増客につながっている」といった声が複数寄せられた。
増収と減収で二極化
NBにおいては、増収する企業と、減収する企業が、はっきり分かれているようだ。ロイヤル化粧品では、売上高が前期比10%増の41億3000万円となった。同社では、コロナが明けて、従来の対面式販売スタイルが本格化した。各種会合が積極的に開催され、業績の回復につながったとしている。
化粧品の売り上げが前期比で8.8%増収したというサンベールでは、2023年7月にスカルプエッセンスの新製品を発売した。2024年3月期には、主力の化粧品「ムコレア」シリーズの売り上げが、全体の売り上げの11.4%を占めたとしている。化粧品の売上比率が高まっているようだ。
前期比で7.6%減収したニナファームジャポンでは、「キャンペーンなど会社の打ち出すセールスプロモーションの訴求力が不足してしまった」としている。