「ごぼう茶」の製造・販売などを行うあじかんは8月1日、ごぼうを使ったチョコレート風味の菓子「GOVOCE(ゴボーチェ)」を自社ECサイトで発売した。同社が本格的な菓子を販売するのは、「ゴボーチェ」が初となる。同商品の発売の背景には、新たな市場を開拓したいという狙いもあるようだ。新商品の発売と、今後の展開について、ヘルスフード事業部市場開発部の岩本太一部長に話を聞いた。
当社の全社売上高約500億円のうち、約35億円が、ヘルスフード事業部市場開発部の売り上げだ。通販と卸がメインで、売り上げ比率はおよそ2対1だ。
商品別では「ごぼう茶」が人気で、関連商品を含めると、売り上げの大半を「ごぼう茶」が占めている。
BSや地上波ローカルでの、CMやテレビ通販が主な販路となっており、顧客層は50代以上の女性が中心だ。
新商品の「ゴボーチェ」では、これまでよりも若い顧客層を獲得していきたいと考えている。自社ECサイトに来るのは、「ごぼう茶」を購入する人がほとんどだ。若年層への認知拡大のため、実店舗への卸にも注力していきたい。
特許製法の焙煎ごぼうを使用
「ゴボーチェ」は商品パッケージのデザインにもこだわった。情報量を減らし、シンプルでおしゃれなデザインになるように意識した。これまでの商品とはターゲット層が異なる。おそらく実店舗での売り場も変わってくるはずだ。菓子コーナーに並んでも、違和感がないようにすることも意識した。
菓子については、BtoBでの原料販売も行っていく予定だ。
「ゴボーチェ」には、当社独自の特許製法で作った焙煎ごぼう素材「MelBurd(メルバード)」を使用している。焙煎ごぼうをパウダー状にしており、菓子などへの配合に向いている。
とはいえ、単に焙煎ごぼうのパウダーと言っても、イメージが湧かないだろう。そういった場合に、「ゴボーチェ」が名刺代わりになると考えている。
原料としての販売はもちろん行っていくが、他社製品とのコラボレーションや、他社商品の共同開発も視野に入れている。
ごぼうは食卓に並ぶことも少なくなり、食べられる機会も減ってきている。当社ではごぼう茶を通して、「飲む」というところから需要を開拓していった。今後はそれに加えて、「配合して食べる」というところに価値を見出していきたい。