国民生活センターはこのほど、2018年から2023年までの6年間の裁判外紛争解決手続(ADR)の実施状況と結果をまとめた。その中で、連鎖販売取引の解約をめぐって和解した事案も取り上げた。
この事案では、知人から勧誘を受けた消費者が、約2年間、連鎖販売の契約をしていたが、預金がなくなったことで退会を申し出たという。しかし、退会が認められなかったり、退会できたと思っていた時にも入出金が行われていたという。そこで消費者は、最初に退会を申し出た時からの約230万円の返金を求めた。
本社と意見の相違があったため、国センの仲介委員が聴取を行い、クーリング・オフや適合性原則違反の可能性を指摘して、解決案を検討した。
両者の間で事実関係の認識の相違はあったが、最終的に本社側が約100万円を支払うことを提案し、消費者が応じて和解が成立したとしている。
国民生活センターは、「助言・あっせんなどの相談処理による解決が見込めなかった時などに、紛争解決委員会へ和解の仲介や仲裁を申請することができる。問い合わせ窓口を設けていて、手続きの流れなどを説明できるため、紛争解決手続の流れと申請手続を参照した上で問い合わせしてほしい」と呼びかけている。
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