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2024.08.12

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【トップインタビュー】アサンテ 宮内征社長 「西日本で拠点・認知の拡大進める」

宮内征氏


白アリ防除施工のアサンテでは、四国地方や中国地方などの西日本への展開を加速している。2022年には四万十、岡山、2023年には広島、高知に営業所を構えた。現在は、テレビCMなどを展開しつつ、提携先であるJAと組んだ訪販を通して、サービスの認知拡大を進めているという。「物価高や人手不足の影響が強まる中で、現場の営業員が効率よく動けるよう、認知拡大の施策を進めていく」と話す宮内征社長に話を聞いた。


提携先と顧客接点拡大


──西日本地域での展開を進めているが、成果は。

四国地方や中国地方に新たに営業所を設けるなど、営業エリアを拡大している。現在は、「アサンテ」という会社の認知度を高めるために、効果的なPRの施策を展開している。西日本での実績はまだ小さいが、現場を耕しているところだ。

西日本は、当社がこれまで展開してきた東日本に比べて、温暖な気候で、シロアリの活動も活発だ。白アリ防除施工のニーズは総合的に考えて高いと考えている。

訪問営業をしていると、「テレビCMで名前を聞いたことがある」というお客さまの声も聞く。当社がターゲットとしている層に、会社の認知度が浸透しつつある。

──現在取り組んでいる効果的な施策はあるか。
 
さまざまな企業との提携を増やすことが重要だと考えている。ハウスビルダーやホームセンターなどと提携し、継続的な関係性を作っていければ、提携先の企業からお客さまを紹介してもらえる可能性が高まる。

当社では、2024年4月から、企業や団体との提携を担う、専門の部署も設置している。
 
親和性の高いサービスを展開している企業との提携を、積極的に模索していきたい。


4‐6月は前年並みに回復


──2024年3月期の業績の振り返りを聞きたい。

2024年3月期の連結売上高は、前期比3.2%減の136億9300万円だった。営業利益は、同31.4%減の9億4600万円だった。大幅な減益となった要因としては、広告宣伝費や人件費を戦略的に増やしたことがある。ただ、それ以上に、売り上げのトップラインを引き上げられなかったことが、利益率の低下の要因となった。

振り返ると、シロアリの活動が活発になるハイシーズンの2023年4~6月度は、2022年度と同水準で推移していた。しかし、7月以降の夏から秋にかけては、ニーズが大きく減少した。さまざまなものの値上がりが進み、消費者の節約志向が高まる中で、当社が扱う、床下を中心とした、見えない場所に支出する商品への優先度が下がったと考えられる。

白アリ防除施工のような、メンテナンスに関わる商材は、地震などによって防災意識が高まれば、ニーズが高まるかもしれないが、通常の状況では、後回しにされがちという傾向がある。

こうした状況を打開すべく、広告宣伝への投資や、営業効率の改善によるお客さまとの接点拡大などを図った。その結果、2024年1~3月度においては、売り上げはほぼ前年並みに回復した。

人件費拡大に懸念


──物価高の影響は今後も続くか。

インフレの影響は当社だけでなく、さまざまな業界で今後も続くと考えられる。ただ、インフレが常態化し、賃金の上昇も追いつき、生活者の目線が変わってくれば、インフレの悪影響は落ち着くのではないかと考えている。

当社では2023年7月に、一部の商品の価格改定を行った。それによって、原材料の高騰など、ある程度のコストは吸収できるようになったと考えている。

人件費は今後も利益に影響してくるだろう。ただ、われわれのような訪問販売の企業にとっては、対面接客そのものが商品であるといっても過言ではない。人と人とのコミュニケーションは、簡略化することができない部分だ。十分投資していきたいと考えている。大切なのは、いかにお客さまに安心してこちらの話を聞いていただけるかということだ。一方で、施工の効率の改善や、バックオフィスのデジタル化にも取り組んでいきたいと考えている。

──2023年には、投資ファンドのアドバンテージ・アドバイザーズから、累計45億円の資金調達を行った。狙いと成果は。

外部のリソースを使って社内のさまざまな部分で改革を進めることが目的だった。

その一つが、企業との提携拡大でもある。確実性とスピード感をもって行っていきたいと考えている。




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