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2024.08.09

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【トップインタビュー 】エイジアクリエイト 吉田友則社長 「営業スキルの平準化で提案力向上」

吉田友則氏


家庭教師の派遣や小中学生向けの学習教材ブランド「デスクスタイル」を展開するエイジアクリエイト(本社京都府)は、社内の営業組織の改革に乗り出している。合わせて、社内業務のDXを進めており、2025年には電子契約書面を実現することで営業社員の業務効率の向上を目指している。吉田友則社長に聞いた。


──2023年12月‐2024年5月期(中間期)の業績についてはどうか。

2023年11月期の売上高は前期比5%減だったが増益となった。今期に入っても、業績はほぼ横ばいで推移している。

コロナ禍を境に、売り上げはコロナ前には戻っていない。外的な要因というよりは、コロナ禍で社員の働き方が変化し、社内のコミュニケーションが希薄になったことにより、営業社員の提案力が低下した。コロナ後は元に戻ると想定していたが、営業スタッフのマインドがコロナ前に戻ることはないという前提で体制を整えていく必要がある。

人件費を含めた維持コストのバランスが取れてきたことや、信販会社の加盟店手数料の改善が進んだ。郵送費や印刷代のコストが10%ほど値上がりした中で、社内業務の改善を図ってきた。さまざまなコストの見直しに取り組んだことが成果につながってきた。

──新たにグループ内を横断する組織「アカデミー」を設置した。進捗については。

営業成績上位の社員や責任者を3人選抜した。営業に関するノウハウの平準化や人材育成マニュアルの整備を実施している。他社との比較ではなく、自社教材の強みを明確にかつ具体的に話す営業スタイルに戻すことを主眼に置いた。

人材育成については、責任者が現場に出向き、個別の営業トレーニングを実施している。マニュアルについても、ここ数年で営業スタッフの独特のルールになってきたため、会社としてのマニュアルを整備することで、営業スタッフのスキルに頼らない体制を構築してきた。属人化するのではなく、平準化するようになることを目指している。

目立った成果にはまだつながっていないが手探りで進めている。マニュアルを活用することで成果につながったという実績を増やせば浸透してくるだろう。

──ホームページなど問い合わせからの契約が中心だ。

見込み客の多くは、当社のホームページなどから複数の学習塾や家庭教師派遣と比較検討して問い合わせしてくる。訪問販売特有の不意打ち性という要素は見当たらない。他社と比較した上で問い合わせしてくるわけだから、自社の強みを明示する営業が重要だ。

当社が主対象としているのは、平均点以下の子どもを持つ世帯だ。学校で学んでいる内容に加え、過去のカリキュラムにさかのぼって学べることが強みだ。当社のサービスを必要としている顧客にきちんと対応できる体制にしたい。

当社のような家庭教師派遣の業界は適正な事業者が増えたことで消費者トラブルも大きく減っている。学習塾などと比較検討してもらえる業態に成長したことで、消費者の認知も高まり、比較検討してもらえる土俵に立てている。そういう意味で、潜在的なニーズを掘り起こす余地はまだある。

2025年春には、お客さまからの電子(ウェブ)申し込みのシステムと、連携を目指している。電子書面の交付が実現すれば、30~40代の顧客体験が高まるし、長時間勧誘なども防ぐことができる。




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