ムコ多糖を原料とした健康食品・化粧品をネットワークビジネス(NB)で販売するサンベール(本社東京都)は、新規会員獲得や既存会員の交流が活性化している。活発なビジネス活動は業績にも反映されており、2024年3月期の売上高は前期比4.4%増の20億円で着地した。今期は、新規獲得をより強化し、売上高25億円を目標にさらなる飛躍を目指す。好調の要因と今後の取り組みを濱松治社長に聞いた。
──増収となった要因は。
コロナの第5類移行を受けて、セミナーやインセンティブ旅行などリアルイベントを再開し盛り上がったことが要因の一つだ。2023年11月に行ったハワイへのインセンティブ旅行では、追加のプロモーション期間を設けて、過去最高の売り上げを記録した。条件を達成してハワイへ行くことができた会員は、約70人。現地での盛り上がりも良かった。その後は、製品値上げの反動といった懸念があったものの、最終的には増収での着地となった。コロナが明けて以降は、日常的なセミナーも増えている。活動自体が活発化している状況だ。
──リアル施策が活発な理由は。
当社は、リーダーを中心とした地域の拠点としての化粧品の直営サロン「メゾンダムール」の展開に注力している。地域に根差して製品の訴求を進めていくためだ。23年までに、山梨県と山口県に2店舗構えていたが、今年4月に、千葉県印西市に3店舗目をオープンした。遠方地に住む実力のあるリーダーを中心に、ビジネス拠点として上手に活用してもらっている。サンベールが地域に密着している会社であることをPRするためだ。毎月開催している「サンベール・メンバー・ミーティング(SMM)」には、毎回200人程度が参加している。初参加の会員が登壇して抱負を語るコーナーも設けて、新規会員からベテランまで幅広く会員を集めることができていると思う。アプリ活用でビジネスの利便性を高めている。一人一人の会員が所属する組織図を把握する機能があるほか、リーダー会員は傘下メンバーの新規登録や、商品購入履歴を確認できる。アプリの活用でリアルのビジネス活動がやりやすいようサポートしている。
──今期の目標を教えてほしい。
2025年3月期の売上高は25億円を目指している。前期は売上高が20億円に達するなど飛躍した年だった。主力の化粧品「ムコレア」シリーズの売り上げが、全体の売り上げの11.4%を占めた。2023年7月にスカルプエッセンスの新製品を発売した結果、約8%増収した。化粧品比率も上がってきている。この勢いを加速させて、さらに大幅な増収を目標として設定している。
──目標達成のために注力していくことは。
新規会員の獲得に注力していく。そのための目標設定を会員と共有しながら進めていく。今年の4・5月は、新規登録者が約700人と好調に推移している。まずは毎月1000人の新規獲得を目指していく。最終的に毎月2000人の新規登録を目標にして達成したい。高齢化が進む中、NBの価値は上がっている。そうした中で、明るく、楽しくというサンベールの理念が必要だ。多くの人に会うというNBの原点に立ち返って活動することが重要になっていくだろう。