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2024.08.16

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【通販トップインタビュー 】新日本製薬 後藤孝洋社長 「EC売上33.9%増高い成長率を維持」

後藤孝洋氏


新日本製薬の2023年9月期の通販事業の売上高は、前期比4.3%増の341億5100万円だった。その内、ECについては、売り上げが前期比33.9%増の63億7600万円となった。成長が続く同社の通販事業戦略や取り組みについて、後藤孝洋社長に聞いた。


──高い成長率を維持しているEC事業について聞きたい。

2023年9月期の国内外EC売上高は、前期比33.9%増の63億7600万円だった。

2024年9月期の中間期(2023年10月‐2024年3月期)のEC売上高も、前年同期比35.4%増の38億5400万円となった。

当社は、シニア・ミドル層のお客さまを中心ターゲットにして展開してきた。シニア・ミドル層とは、コールセンターを通して、コミュニケーションを深めるスタイルを取ってきた。

近年はEC事業にも注力している。ECを通してお客さまとの新しいコミュニケーションのモデルを築くのが目的だ。

デジタルマーケティングをこれからの当社の強みに変えていくべく注力してきた。トライアンドエラーを繰り返しつつノウハウや知見を蓄積してきたことが、現在の成長につながっている。

化粧品事業においては、「パーフェクトワンフォーカス」ブランドが、EC・卸売りともに好調だ。30代以下への、顧客ターゲットの拡大を図り、21年秋にリリースした商品だ。以降、成長を続けてきた。

ヘルスケアブランド「Fun and Health」の売り上げも拡大している。このブランドの「Wの健康青汁」は、ECを中心に、新規顧客の獲得が好調だ。定期顧客も順調に増加しており、ブランドの成長につながっている。

4日で4万個販売


──「Qoo10(キューテン)」での戦略や取り組みについて聞きたい。

「Qoo10」でインフルエンサーとの大型施策を実施した。その結果、Qoo10総合ランキング1位も獲得し、4日間で4万個以上の商品を販売した実績もある。ライブコマースなども積極的に行っている。

「Qoo10」では、トレンドを意識したユニークなコンテンツの展開に力を入れている。Qoo10のユーザーである若い世代は、UGCを参考にすることが多い。そのため、UGCを生むような企画・施策のスピーディーな展開が重要だと考えている。

──2023年9月期は、計画を上回る営業利益を挙げたと聞く。どのような取り組みを行ったのか。

2023年9月期の営業利益は、前期比6.6%増の37億5400万円だった。2024年9月期に向け、攻めの成長投資も実行したが、その上で、コスト構造改革を進めた結果、期初に計画していた営業利益を上回ることができた。

今期に入ってからの中間期(2023年10月‐2024年3月期)の営業利益も、前年同期比41.5%増と、大幅増益となった。

中間期については特に、オペレーションコストの効率化が増益に貢献した。オペレーションコストとしては例えば、「フルフィルメントコスト」が、前年同期比0.2%減になった。「コールセンターコスト」も、前年同期比7.9%減となった。

配送費用の対策を推進したことから、配送コストも効率化することができた。

ポスト投函可能に

──「パーフェクトワン」シリーズは、累計販売数が8000万個(23年末時点)を超えるなど、大ヒットを記録している。シリーズの一部商品については、詰め替え用パッケージの販売も開始したということだが狙いは。

持続可能な社会の実現に向けた環境配慮の取り組みの一環として、2023年5月から、同シリーズのオールインワンジェル「パーフェクトワン モイスチャージェル」の詰め替え用パッケージの展開をスタートした。「パーフェクトワン 薬用リンクルストレッチジェル」についても、詰め替えパッケージを展開している。

詰め替えパッケージの採用によって、ポスト投函が可能となった。配送コスト面にもプラスの影響が出ている。

ヘルスケアブランド「Fun and Health(ファンアンドヘルス)」から出している青汁「W(ダブル)の健康青汁」についても、ポスト投函が可能なパッケージに切り替えた。

ポスト投函での配達であれば、受け取り時間の制約もなくなり、お客さまにとってもプラスとなる。再配達削減により、物流問題の解決に貢献する狙いもある。

今後も、こうした地球環境や社会を取り巻く課題の解決を目指す取り組みを推進していく。




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