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2024.08.17

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【通販トップインタビュー】ディーライズ 貴島康博社長 「売上高300億円、在庫50億円が目標」

貴島康博氏


家電のECを手掛けるディーライズ(本社東京都、貴島康博社長)の2024年2月期の売上高は、前期比1%増の180億5400万円だった。家電EC市場にアフターコロナの逆風が吹く中、増収での着地となっている。同社では在庫量の増加に注力しており、現在30億円分の在庫を持っているという。自社システムで在庫と販売価格を管理することにより、着実に増収を続けているようだ。近年は潤沢な在庫を生かし、他社と在庫を共有するサービスを開始。まだトライアル中ではあるが、今後は本格的に展開していくという。「家電ECとして売上高300億円、50億円分の在庫保有」を直近の目標として掲げる、同社の貴島康博社長に話を聞いた。


3年で在庫50億円目指す

──在庫量の確保に注力しているとのことだが。

家電EC、特に人気商品では、在庫量が物を言うケースが多い。当社としても在庫量の確保は常に意識している。

創業当初の在庫は、5000万円程だったと思う。17年を過ぎたころに、10億円を超え、現在は30億円ほどとなった。まずは3年以内に50億円を目指したいと思っている。

現在の物流倉庫は、千葉県に1拠点のみ。追加で倉庫を買おうという話も出てきている。そうなるとスペースも今の倍近くになりそうだ。

売上300億円が節目


──売上高の目標は。

コロナ禍で大きく売り上げが伸びた反動で減収になったことはあったが、それを除けば着実に増収を続けている。

売り上げとしては、オーナー企業のまま、3~4年かけて、300億円までいきたいという思いがある。家電EC単体では、そこが一つの節目になると考えている。

まずは、家電ECで売上高300億円を達成し、そこから新たな展開をしていければと思う。

新規参入の支援も


──在庫を活用した新サービスについて教えてほしい。

家電ECは、商品が高額で在庫を持ちにくいため、資金がないと始めにくい。在庫を持つことにはリスクがあるため、参入障壁が高くなっている。

そこで新規参入の企業向けに、在庫を共有化するプラットフォームの提供を試験的に開始した。

新規参入企業は、当社の在庫を使い、ECを展開する。在庫を持たずに、ECで家電を販売することが可能となる。販売した商品は、当社の倉庫から、その店舗の商品として出荷する。

ここ1~2年でトライアルを実施しており、現在2社と在庫を共有している。1社は、既にECを展開していた企業だ。ECでの商材を増やしたいと考えており、既存の商品に合わせ、家電の取り扱いも始めた形だ。

もう1社は、これまでECをやったことのない企業だ。新規でECサイトを作り、当社の在庫を販売している。

当社は、人気商品だと、数千台仕入れることもある。家電EC企業の中でも、潤沢な在庫を持つ企業だからこそ、提供できるサービスだと考えている。

同サービスについては、現在課題をブラッシュアップ中だ。

販売する商品は精密機械なので、商品の不具合などがあるケースも少なくない。返品などの対応をどのように行っていくかなど、多様なケースに対応できるよう、準備をしている。

まずは2024年中にトライアルを行い、2025年以降に本格始動できればと考えている。家電ECという市場を盛り上げていくためにも、新規参入企業の支援をしていけたらと思う。




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