フレッシュドッグフード「ココグルメ」をECで展開するバイオフィリア(本社東京都、岩橋洸太社長)の2023年6月期の売上高は、本紙推定で20億円。2024年6月期は、これまでに比べ増収のペースは落ち着いたものの、売上高20億~25億円とみられる。同社では近年、EC事業に加え、海外販売事業や卸事業、新たなカテゴリーの商品開発に注力しているという。ECの売上高に、これらの売り上げを加えることにより、3年で全社売上高100億円を目指しているという。同社の新たな展開について、岩橋洸太社長に話を聞いた。
人員増加でオフィス移転
──これまでの業績推移について教えてほしい。
2017年の設立以降、順調に増収を続けている。2024年6月期も、これまでと比べると少し成長は鈍化したものの、増収は維持できている。
当社はシェアオフィスで起業した。単独のオフィスを構えたのは、渋谷が最初だった。その後、五反田、中目黒と移転し、2024年4月からは四ツ谷に本社を置いている。現在(7月1日時点)の人員は56人となっている。
これまでの当社はECがメインだったが、近年は海外販売や卸にも注力している。
従業員数は全体的に増えているが、新しい事業を始めたことの影響が大きい。
──海外販売の状況について教えてほしい。
2024年3月に台湾での販売を開始、7月からは香港での販売も開始した。海外のECモールに出店しているほか、自社での越境ECも行っている。
台湾のペット市場は、日本の4分の1から5分の1と言われている。まだまだ規模は小さいものの、すでにフレッシュフードを使っている人もいるし、親日で日本製品の人気も高い。初動としては、非常に良い市場だと感じている。
今後の海外販売に関しては、まず東南アジアを考えている。タイやインドなども、ペット市場が拡大してきている。
東南アジアを中心に海外販売の基盤を作り、最終的には米国で勝負していきたいと考えている。
──新商品についても教えてほしい。
2024年6月に、「ケア食」を発売した。病気などになってしまったペット向けの商品だ。療法食との併用をイメージして作っている。
療法食にした結果、ペットがペットフードを食べてくれなくなったというケースが少なくない。この商品を療法食にトッピングすれば、健康をケアでき、食べてくれやすくなるというのが特徴になっている。
通販7・卸3を目指す
国内の卸は、もともと自分で営業活動を行っていた。2年前くらいから専門部署を作った。順調に店舗数が拡大している。
メインとなるのはもちろんペットショップやホームセンターだが、今後はこれまで取り扱いのなかったジャンルの店舗への進出もしていきたいと考えている。
まずは、売り上げ比率で、通販で7割、卸3割のところまで持っていきたい。
これまで当社は、フレッシュドッグフードの通販1本の企業だった。
今後は、その1本足から脱却し、海外販売、卸、商品ジャンルを拡大するなどして、販路を広げ、事業を拡大していきたい。