2024年4‐6月期(純第2四半期)における国内EC流通総額は、同4.8%減の1兆3839億円だった。SPU改定やペイメントオンライン移管、全国旅行支援終了の一過性要因を除けば、同3.1%増だったという。
「楽天市場」の流通総額は、SPU改定の影響はあったものの堅調に推移している。2024年7‐9月期(純第3四半期)には、前年同期にふるさと納税のルール変更による駆け込み需要の影響を受けるが、2024年10‐12月期(純第4四半期)以降はプラス成長に転じ、2024年通期ではプラス成長を目指すという。
▲「楽天市場」の流通総額の推移
物流事業は黒字化に向けて収益性の改善が進捗している。「楽天スーパーロジスティクス」の契約店舗数も2024年7月に1万店舗を突破し、着実に増加しているという。
楽天トラベルの国内宿泊流通総額は、コロナ禍前の19年度と比べて34%増となっている。広告事業の売上収益、Rakuten TVのユーザー数、Rakuten Koboの総登録者数なども伸びている。
AIで検索結果が改善
AI活用はさらに強化していく。ディープラーニング技術を活用し、顧客が本当に欲しい商品の発見をサポートしている。
セマンティック検索(自然言語を理解し、その意味に沿った検索結果を提供する技術)を2023年に「Rakuten Fashion(楽天ファッション)」が導入し、検索結果ゼロの件数が95.3%減少した。22024年1‐3月期(純第1四半期)には「楽天市場」にも導入し、検索結果ゼロ件数が98.5%減少している。「楽天ラクマ」「楽天ブックス」「楽天リワード」にも導入していく。
セマンティックテクノロジーをレコメンデーションにも活用する。最新のAI手法による高精度なパーソナライゼーションにより、ユーザーの細かい興味にも寄り添うコンテンツを提供する。「楽天市場」ではこのレコメンデーションにより、CTR(クリック率)は9.2%上昇した。
ビジュアル検索(画像検索)にもAIを活用している。従来のソリューションでは、高コストであるにも関わらず検索結果の関連性が低かった。AI導入後、オペーションコストを43%削減できた上で検索結果の関連性は高まっている。