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2024.09.06

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オンワードホールディングス、若年層の獲得狙う ウィゴーを子会社化、顧客年代を補完

オンワードホールディングス(HD)は8月28日、カジュアルウエアを販売するウィゴー(本社東京都、園田恭輔社長)を子会社化すると発表した。オンワードとウィゴーの顧客層の年代はズレており、補完関係にあるという。オンワードは今回のM&Aで若年層の取り込みを狙う。将来的には、会員データベースの統合やECサイトの連携・統合の可能性もある。

オンワードは2023年5月にウィゴーとの資本業務提携を行い、発行済株式総数の20.27%を取得していた。今回、残りの79.73%の株式を取得し、100%の株式を保有する。完全子会社化することで、DX投資や人的資本投資などを加速し、ウィゴーの企業価値を高めたい考えだ。

ウィゴーの株式を保有する複数のファンドと9月6日に株式譲渡契約を締結し、9月27日に株式の譲渡を実行する予定だ。株式の取得価額は5億円。

ウィゴーは10~20代を中心とする若年層を主要顧客としている。30~60代を主要顧客とするオンワードとは補完関係にあることから、世代バランスの取れた顧客基盤を形成し、両社の事業拡大を図る。2024年2月末時点の両社の登録会員数を合算すると、約870万人となるという。

現時点では完全子会社化後の事業戦略については明かしていない。ただ、両社の会員基盤を効果的に生かしていくために、将来的に会員データベースを統合する可能性はある。ECサイトの連携や統合をどこまで踏み込むかは、今後の協議になるだろう。

オンワードのアジア営業のネットワークを生かし、アジア市場への展開も強化する。ウィゴーの東京・原宿や大阪・心斎橋の路面店ではインバウンド売上高比率が高く、ヒット商品などアジア市場に向けたコンテンツを持つことから、シナジー効果を期待できるという。

ウィゴーの2024年2月期の売上高は283億円で、営業損益は4400万円の営業損失。EC売上高は約57億円とみられる。東京や大阪を中心に約170店舗を展開している。資本業務提携の開始後のサプライチェーンなどの改革により、2025年2月期の売上高は約300億円で、営業損益は5期ぶりの黒字化を予想している。




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