バニッシュ・スタンダード(本社東京都、小野里寧晃代表)は9月4日、メイキップ(本社東京都、柄本真吾代表)と協業し、スタッフコンテンツのパーソナライズする機能の提供を開始した。ユーザーのサイズ情報を活用し、最適なコンテンツを自動で表示する。先行導入したパルでは、新着順で並べた場合と比較して、スタッフコンテンツ経由の購入率が約1.1倍となったという。
バニッシュ・スタンダードが提供するDXアプリケーションサービス「STAFF START(スタッフスタート)」と、メイキップが提供するサイズデータを活用したパーソナライズサービス「aunn Personalization(アウンパーソナライゼーション)」のAPI連携を開始した。スタッフのコーディネート投稿はこれまで、新着順で表示していたが、ユーザーが入力した体型や、サイト内行動(趣向)に合わせて、最適化したコンテンツを優先的に自動表示できるようにした。
同機能は両サービスを利用しているECサイトが対象となる。現時点では50~60社が当てはまるというが、新規の導入の後押ししたい考えだ。
機能について、「SNSのように自分に合うコンテンツを表示するというのは、ECサイトはまだまだだといえる。店頭の接客と同じように、体型に関する悩みを解決できる服を提案できるようになる」(バニッシュ・スタンダード・小野里代表)と説明した。
同機能を2024年3月1日~4月15日の期間で先行導入したパルの自社ECサイト「PAL CLOSET(パルクローゼット)」では、従来の新着順で並べた場合と比較して、スタッフコーディネートコンテンツのクリック率が約2.5倍、購入率が約1.1倍となったという。
「能動的に自分に合うものを探すのではなく、自然に情報を提供できるパーソナライズは重要だ。『このブランドは自分のことを分かってくれる』という体験価値は、信頼感につながると思う。ユーザーが楽しんで、またECサイトを見たくなるという『粘着度』をさらに高めていきたい」(パル・取締役専務執行役員・堀田覚氏)と話した。
ECサイトでは、スタッフの投稿が多いほど、幅広い顧客に対して最適化した提案ができる。2025年春に、訪問ユーザーが自分の体型と近いスタッフによる投稿をリクエストする機能を加える予定だ。
協業について、「『似合う』の要素には色々あるが、まずはサイズに特化してスタッフとユーザーのマッチングをする。今後は、スタッフブログやスタッフレビューなど、コンテンツの幅を広げてパーソナライズした情報を提供していきたい」(メイキップ・柄本代表)と話した。