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2023.11.27

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【インタビュー】ベネッセコーポレーション たまひよサービス開発部 増田治久部長「たまひよ」創刊30周年に 『悩み解決』で着実な成長を」

増田治久氏

ベネッセコーポレーションが発行する妊娠・出産・育児雑誌「たまごクラブ」「ひよこクラブ」は10月15日、創刊30周年を迎えた。同媒体では、1998年からカタログ通販を開始。2001年からはECをスタートさせた。「たまごクラブ」「ひよこクラブ」というメディアとの親和性を生かし、通販では、妊婦や子育ての悩みを解決する商品や内祝いにフォーカスを当て販売を行うことで、売り上げを拡大させているようだ。「たまひよ」の通販の振り返りと、今後の展開について、たまひよサービス開発部の増田治久部長に話を聞いた。




当社が発行する「たまごクラブ」「ひよこクラブ」は、1993年に創刊、今年の10月15日に30周年を迎えた。

「たまひよエクスプレス」という形で、「たまひよ」の購読者を対象に、カタログ通販を開始したのが、通販事業の始まりだ。

2001年にはECサイトを立ち上げた。2005年からEC比率が高まり始めた。

通販事業は開始以降好調で、2010年頃までは拡大させていこうという方針だった。妊婦用のアパレルブランドや子ども服、ひな人形なども販売しており、商品ジャンルをどんどん拡大させていった。

風向きが変わり始めたのは2017年ごろだ。少子化の影響もあり、商品ジャンルによっては利益を出すのが困難になっていった。そのころから、商品の領域を縮小していくようになった。

売れ筋は、妊婦や子育ての「悩みの解決」につながる商品だ。マタニティー用の抱き枕は、2020年以上のロングヒットになっている。時代が変わっても変わらない「悩み」を解決できる商品は、今後も主力商品であり続けるだろう。

人気商品に関しては、継続的な販売を行いつつ、機能性の高い商品や、他のブランドとのコラボを行うことにより、商品ラインアップの横展開を図っている。

ベビー用品などは、特に安全性や機能性が高い商品が求められる。人気のベビー布団セットは、品質に応じて3段階の商品を販売しているが、一番高いセットが一番売れている。顧客が品質を求める部分と、価格を求める部分を把握していくことは、今後の商品開発や販売戦略にも生きてくると考えている。

一方で、時代と共に変わってきているのは、「たまひよ」の読者だろう。創刊から長らく「ママ目線」で記事を書き、通販の商品開発を行ってきたが、今は「パパ目線」が当たり前になってきている。

当社の商品に、「マザーズリュック」というものがある。もともとは女性用のデザインをしており、ヒット商品になっていた。だがデザイン的に男性が持つには、違和感のある商品だった。

そこで2016年、黒のシンプルなデザインにリニューアルし、女性と男性、どちらが使っても違和感がないようにした。現在は、リニューアル前を上回るヒット商品となっている。

近年は、マザーズリュックのように、商品開発の考え方自体が変わってきている。当社の通販は、売らなければいけない商品があるわけではない。顧客が何を求めているのかを考え、提案していかなければならない。

これまでのメインターゲットだった、妊婦や子育て中の母親だけでなく、父親や祖父母なども含め、時代にあったニーズを見極めつつ、商品開発をしていければと思う。



ますだ・はるひさ氏
印刷会社、通販会社を経て2011年ベネッセコーポレーションに入社。生活事業分野の新規事業立ち上げに従事した後、現在はたまひよ通販事業の全体統括を務める。





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