「LINEギフト」は2015年4月にサービスの提供を開始した。2024年7月時点で「LINEギフト」を贈ったことがある、もしくは受け取ったことがある人の数は累計で3500万人を突破した。
2024年3月期の「LINEギフト」のGMVは前期比29%増、2024年4-6月期のGMVも前年同期比42%増と高い成長率を誇っている。伸長の背景には、住所を知らなくても自宅に商品を贈れる「配送ギフト」の利用比率の拡大がある。
「配送ギフト」の比率は2019年度が17%だったが、2023年度は39%にまで拡大している。約1500店舗の出店ショップ数と、約40万の商品数を取りそろえることで、幅広いギフトシーンに対応している。
「LINEギフト」はイベント当日に最もGMVが伸びる点が特徴だ。2024年の母の日当日のGMVは前年同日比60%増、父の日当日のGMVも同68%増だった。
「手元に商品が届くのは後日だが、ギフトを贈るという行為と気持ちは当日届くため、イベント当日のGMVが拡大する」(嘉戸執行役員)と話す。
今後の三つの軸
「LINEギフト」は今後、三つの軸を強化する。「商品」では、日常使いから贅沢さを感じる商品まで、多様なギフトシーンに対応できるようラインアップを拡充する。特に商品数は制限を設けず、ギフトを贈りたくなるような商品の開発に注力する。
「新たなブランドからの出店につなげるということもあるが、それ以上に現在、出店している企業とともに『LINEギフト』で贈ってもらいやすいギフト商品を開発していく」(同)と話す。
「機能」では、さらに受け取り人が喜ぶパーソナライズ機能の開発に注力する。現在、「LINEギフト」では、ギフトに名前やメッセージを刻印できる名入れ機能や、受け取り人がギフト商品の色や香りを選べる機能などを提供している。
「名入れ機能はまだ適用商品が限られるため、適用商品を増やしていく。『LINEギフト』において、贈るギフトを決めきれないという人も一定数いる。そのため、『この商品なら贈っても大丈夫だろう』とどうすれば安心して贈ってもらえるかをしっかりと考えていく」(同)と話す。
「シーン」では、誕生日のほか、さらに贈るシーンの掘り起こしに注力していくという。