ユニクロの親会社であるファーストリテイリングの連結業績では、売上収益は3兆円、営業利益は5000億円を初めて超え、過去最高業績を達成した。今年7月に発表した業績予想に対しては、国内ユニクロ事業、海外ユニクロ事業が好調で上回ることができたという。
リアル店舗の売り上げが好調に伸びる中、EC売り上げの成長は伸び悩んでいる。世界的デザイナーと組んだ高付加価値のオリジナルブランドを展開しており、リアル店舗で試着してから購入する顧客が増えているようだ。
グループ企業が展開するジーユーのEC売上高は、同約8%増だったという。EC化率は約12%となった。EC化率から推定したEC売上高は約382億円となる。
ジーユーは米国に海外初の旗艦店を開設し、現地ECサイトも出店している。グローバルでのオフライン、オンラインの展開も強化する。
数年で売上5兆円へ
ファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長 柳井正氏は、「毎年5000億円ずつ売り上げを伸ばしていくと、数年のうちに売上高5兆円に届く。世界市場の環境や会社の潜在力はそれが可能なステージに来ている。その先、さらに10兆円を目指し、将来に向けての具体的な計画と準備を進めている。今後の成長においても最も重要なことは人材の投資だ」と話す。ファーストリテイリング グループ上席執行役員 兼 ユニクロ 代表取締役 社長兼COOを務める塚越大介氏が、経営の質を高めるための重点的な取り組みを紹介した。
重点施策として、(1)人材の厚みが成長の原動力 (2)グローバルワン・全員経営 (3)LifeWearの進化 (4)ブランド認知度の向上 (5)地域の人と協業して、共に栄える─の五つのテーマを掲げた。
「グローバルワン・全員経営」では、2023年に経営コックピットという全社プラットフォームを立ち上げ、直近1年間で働き方の改革を推進してきたという。