水宅配国内最大手のプレミアムウォーター(本社東京都、金本彰彦社長)はこのほど、プラスチック使用量を23%削減した、天然水ボトルを開発した。同社はワンウェイの水宅配サービスを提供しており、顧客は水ボトルを廃棄する必要がある。新ボトルによって、水ボトルのプラスチックゴミの排出量が大幅に減ることになりそうだ。新ボトル開発の背景について、開発を担当した、技術部技術課の櫻井裕太郎氏に話を聞いた。
強度と柔らかさを両立
ー新水ボトル開発の背景を知りたい。環境に配慮した製品を開発する一環で開発した。
今回開発した新ボトルは、従来品よりも33グラム軽い。環境への配慮という側面と、軽量化という側面がある。
当社は宅配水の新規顧客を日々開拓しているが、市場全体でみると、宅配水の普及率はまだまだ低い。その理由として、水ボトルの重さがが一つあると考えている。
ワンウェイのボトルは軽量化のため柔らかいものが多い。一方、リターナブルボトルは硬くて重いものが多い。
水ボトルは飲料水を充填しているため、輸送時の破損を防ぐことが最も重要だ。サーバーに水ボトルを設置する際に、スムーズなことも必要だ。
今回の新ボトルの開発に当たっては、ボトルの強度や、サーバー設置時のスムーズさも十分に考慮したうえで、軽量化に成功した。将来的には、さらに軽量化することもできると考えている。今回はボトルの形は変えていないが、さらに軽量化するために。ボトルの形状を変えることも検討している。
ーボトルはどこが変わったのか。
ボトルがより柔らかくなった。
ウォーターサーバーの種類にもよるが、水ボトルをサーバー上部にセットして水を使用していくと、ボトルがつぶれていくサーバーがある。その際、水ボトルがよりつぶれやすくなった。
水ボトルは、サーバーの接地面の強度が重要だ。必要な部分の厚みは維持したままで、薄くできるところはより薄くした。
マイボトルの利用求む
ー新ボトルはいつ頃行き渡るか。安心・安全に使用してもらうことが最優先だが、2025年3月までに、市場で流通する当社の水ボトルの80%が、新ボトルに切り替わる予定だ。
プレミアムウォーターとしては、ウォーターサーバーを使用することによって、日常的に使用するペットボトルを削減できることを訴えていきたい。
当社の宅配水のユーザーには、マイボトルを持ち、自宅で水をくんで、外出先で飲む習慣をつけてもらいたい。
外出先でペットボトルの飲料を購入する頻度を減らし、プラスチック使用量の削減に貢献してもらいたいと考えている。