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2024.11.05

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【<コンタクトセンター特集> 通販企業の顧客対応最前線 <インタビュー>】 <相談窓口を全て内製化> ファンケル カスタマーサービス本部カスタマーリレーション部 小田啓之部長 「インハウスだからできる『機動性』と『寄り添い』が強み」

小田啓之氏


ファンケルのカスタマーサービス本部では、化粧品や健康食品に対する相談窓口の全てとサービス窓口の一部を内製化しているという。多様な取り組みを行う、カスタマーサービス本部カスタマーリレーション部の小田啓之部長に、コールセンター業務の強みや、今後の抱負について聞いた。




3拠点を展開

──拠点数や規模について教えてください。

インハウスのセンター1拠点(横浜)と、委託先のセンター2拠点(東京・徳島)の合計3拠点を展開しています。

席数が291席(そのうち委託先117席)、回線数は224席(委託先138席)。総勢257人(そのうち委託先は136人)で対応しています。受注数は1年に62万件強、相談とサービスのお問い合わせ数を合算すると年間約41万件になります。

11月頃は大きな施策が走り、繁忙期となるため、受注は平均的な件数と比べ約2.5倍になる日もあります。

回線については、(1)受注(2)お問い合わせ(サービス関連)(3)サプリメント相談(4)美容相談─と、それぞれ窓口を設けています。

受注業務は基本的に外部委託しています。委託先との関係は長く、一心同体で業務を行ってきました。本社オペレーター並みの細やかな対応を実現いただいています。

相談窓口は完全にインハウスで、会社の教育機関(ファンケル大学)と連携し、研修制度を整え、社内資格も積極的に取得するよう支援しています。

インハウスの対応力に強み


──貴社ならではの強みは。

当社の強みは、(1)インハウスの対応力(2)飲み合わせのデータベースである「SDI(サプリメント アンド ドラッグ インタラクションズ)システム」(3)オンラインカウンセリング─の3点だと考えています。

まず、1点目の対応力については、インハウスだからこそ実現できる、「機動性」と「寄り添い」が大きな強みです。社内各部署と連携し、当社の方針について、タイムリーかつ細やかに発信できる体制を、迅速に整えられるという長所があります。

昨今の健康被害問題に関して心配するお客さまの、お問い合わせや相談に対しても、しっかりと答える必要があると考えています。具体的な内容を、研究所・工場・品質保証部門と連携しながらお伝えできることも、インハウス運営ならではの価値です。

オペレーターに対しては入社時に、社員並みの教育を行います。対応に当社の理念が浸透している点も強みです。

2点目の「SDIシステム」については、当社の健康食品と薬の成分同士の飲み合わせ情報をデータベース化し、検索できる「SDI検索システム」を構築し、オペレーターが活用しています。お問い合わせに迅速に回答することで、お客さまの不安を軽減できています。月間平均930件(WEB版は約1200件)のご利用があります。

3点目の「オンラインカウンセリング」は、例えば「美容相談」においては、実際に窓口の担当者がオンラインでカウンセリングを行っています。新たな商品との出会いにもつながっており、お客さま満足度が高いサービスです。

──LTVを高める取り組みについても教えてください。

基本姿勢としては、個々のお客さまに対して、状況に応じて寄り添った対応を親身に行うことだと思っています。

その上で、今年からは、〝お客さまの得になる〟情報やサービスを、用件が終わった後に、積極的にご案内するようにしています。無料の会員プログラムのご紹介などをすると、お客さまからの反応は非常に良好です。オペレーターのモチベーションアップにも寄与しています。

顧客の声を共有


──コールセンターに集まった、顧客の声を社内で共有していますか?

毎週1回、経営層が参加する会議で、テーマを決めて報告・共有を行います。

社内のポータルサイトでも、タイムリーにお客さまの声を、全社員が確認できる状態にしており、商品開発・営業活動などに、全社的に活用しています。

──今後の展望は。

カスタマーサービス部門のスローガンとして、「お客さまのよき理解者として、それぞれのお客さまと向き合い、美と健康の専門家として一番頼られる存在になる」を掲げました。デジタルが普及し、お客さまとのコンタクトの形も変化している中で、できることを、しっかりと考えて対応していきたいと思います。

働くオペレーター全員がいきいきと、幸せになれるような職場にすることが、大事なミッションだとも考えています。

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