ギグワークスアドバリューはこれまで、インソーシングソリューション部として、同社のスタッフがクライアント先に常駐して、電話対応を行っていた。
だが、時代の流れとともに、労働集約型のビジネスモデルは限界を迎えていくと判断し、約2年前から新たなビジネスモデルの構築を進めていたという。
「約2年前に『ChatGPT』がリリースされた当初、『人に取って変わられる』『人がいらなくなる』『AIが簡単な仕事を行う』などの声が聞かれるようになり、新たなビジネスを考えないといけないと感じるようになった」(ビジネスパートナーソリューション部 テクニカルサポートグループ・布施安詞グループマネージャー)と振り返る。
「そのときから、AIに人の関与は必要と思い、テクノロジーと人を絡めてできないかを最優先に考えてきた。電話はテクノロジーで代替し、その代わりに人はまた別の働きができるのではないかと考えるようになった」(インソーシングソリューション統括 ビジネスパートナーソリューション部・橋本和紀部長)と付け加える。
ボイスボットを活用
具体的にはボイスボットを活用するという。ボイスボットとは人工知能(AI)を搭載した音声認識ソフトウェアを用いて、ユーザーが音声でシステムを操作する自動音声応答システムのこと。
よりイメージしやすくいうと、ボイスボットが「名前は?」と聞いて、「〇〇です」と答え、次に「住所は?」と聞き、「〇〇です」と答えていき、ゴールに近づいていく。実際の人と会話をしているような雰囲気で、会話を通じて、購入を完了させる。
ボイスボットを利用する利点について、「企業としても人で24時間365日体制を作る場合、夜間に働いてくれる人材が少ないことや、深夜割増手当の支給などのコスト増など課題が多い。ボイスボットであれば、採用に困ることなく、かつ全体のコストを抑えることが可能である」(布施グループマネージャー)と話す。
夜中に放送するテレビショッピングの場合や夜のバラエティー番組にイベント出演して、注文が殺到した際、ボイスボットを活用することで、コストを抑えつつ、入電漏れが起きない体制を作ることができる。
メーカーとの違い
ボイスボットを提供する企業と差別化を図る必要がある。
▲インソーシングソリューション統括 ビジネスパートナーソリューション部・橋本和紀部長
「ボイスボットはシナリオを作成する必要があるが、作成には運営経験が必要となる。これまでは提供メーカーか、導入クライアントがこの部分を担っていた。当社はコンタクトセンター事業を長く展開してきたため、どのようなシナリオを書けばいいかが構築段階から分かる。業務整理や運営するための裏側を当社が行うことで違いを出せると考えている」(橋本部長)と強調する。
さらに、「シナリオやチャートを作成するのは結構手間で、多くの中小・スタートアップ企業はそこで投げ出してしまう人が多い。当社に預けていただければ、マルっと全て行いますよということを強みにしていきたい」(橋本部長)とアピールする。
通販事業者からの声は?
実際に通販事業者からの反応はどうなのだろうか。多くの通販事業者はボイスボットの導入に懐疑的だという。固定概念で「人が対応しないとダメなのではないか」という考え方が根強いという。
「対応策としては、クライアント業務の一部を事前にシナリオとして作成し、実際のボイスボットを聞いてもらっている。ボイスボットの導入に躊躇する事業者はそもそもボイスボットの存在を知らなかったり、対応レベルが低いと思っている。だが、実際はそうではない。聞いてもらうと、声やスピードなど非常に高いレベルで対応してくれる」(布施グループマネージャー)と話す。
導入企業の基準は?
どのような企業が導入に適しているのか。
「例えばだが、テレビ番組の放送が決まって自社の運営だけでは不安な場合、スポットでの対応も可能だ。その際、当社がボイスボットのチューニングを行うので、企業は安心できるはずだ。あとは1日中、オペレーターが張り付く必要がない場合も、ボイスボットの活用が適しているだろう」(布施グループマネージャー)と話す。
現在、同社では、ボイスボットと人で応対のハイブリットソリューションを期間限定のキャンペーン価格で提供している。
ギグワークス
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