楽天の無人ソリューション事業部 ヴァイスジェネラルマネージャー 牛嶋裕之氏は、「『楽天市場』などECが拡大し、フードデリバリーなど新しいサービスが普及する中で、日本は人口減少社会なので運び手が不足している。当社はこの自動配送ロボットを活用し、デリバリーサービスをもっと普及させ、人々の生活をより便利にしていきたいと考えている」と無人配送サービスに取り組む意義を説明した。
まずは3店舗が対象
今回、晴海周辺で新たに提供するサービスは、スマホ向けの専用サイトから注文することで、自動配送ロボットが指定の場所まで配送するというもの。年末年始などの一部を除く毎日営業しており、配達時間は午前10時から午後9時まで。雨天時も営業するという。
1回当たりの配送料は税込100円(商品代は除く)としている。支払い方法はクレジットカード、「楽天ポイント」、「楽天キャッシュ」の3通り。
▲公道を走行できるようになった自動配送ロボット
対象店舗は近隣にある「スターバックス コーヒー」「スーパーマーケット文化堂」「吉野家」の3店舗。温かい料理や冷たい飲み物、生鮮・冷凍食品、日用品など5300品以上を配達する。今後、対象店舗や品目は順次拡大する予定だ。
楽天は2021年3月に国内で初めて自動配送ロボットの公道走行によるスーパーマーケットからの配送サービスを実施した。2022年11月からは期間を限定しない定常サービスを、茨城・つくば駅周辺にて展開してきた。
昨年4月の改正道路交通法により、自動配送ロボットが伴走者なしで公道を走行できるようになった。今回、経済産業省の「自動配送ロボット導入促進実証事業」による補助を受けて、晴海周辺でのサービス提供に至った。
無人配送のデモンストレーションでは、ロボットの前を横切る人を検知して自動停止したり、信号のある交差点を遠隔操作により安全に渡ったりできていた。今回のデータや経験をもとに、他のエリアでのサービス提供を検討していくという。