ハルメクホールディングスの2023年4‐9月期(第2四半期)の売上高は、前年同期比11.7%増の152億5300万円だった。主幹事業の女性雑誌「ハルメク」を発行するハルメク事業の売上高は、同10.5%増の116億500万円だった。市場環境が変化する中、顧客が求める商品開発に柔軟に対応した。新聞広告への出稿、実店舗展開などに注力し、増収につなげた。
ハルメク事業の商品開発においては、2023年のゴールデンウイーク(GW)明けから、商品開発の方針を変更した。
「自宅で使うアイテムから外で楽しめるアイテムに変更した。ファッションにおいても、コロナ禍ではトレーニングウエアが人気だったが、GW明けからはそうではなく、ブラウスやパンツなどの開発に注力するようにした。外で楽しく、シニア世代の悩みを解決する商品を開発した」(宮澤孝夫社長)と話す。
新型コロナウイルスが5類に移行されたことで、6月には店舗としては過去最高の売り上げと利益を更新した。店舗の業績も順調に推移しているという。
「2月には神奈川・横浜市の高島屋横浜店、4月には埼玉・さいたま市の伊勢丹浦和店に出店した。最近では10月に北海道にも店舗を出店した。出店すると聞いて、北海道のメディアから取材依頼も届き、認知拡大につながった。店舗の意義も大きく、増収に寄与している」(広報)と話す。
ハルメク事業のセグメント利益は、同13.7%減の5億2600万円だった。新規顧客獲得のための販促コストを前倒して投下したり、先行投資事業に積極的に投資した。
「主にオンラインメディア『ハルメク365』への積極的な投資で利益が減少している。『ハルメク365』では今後、有料会員制度の導入も検討しており、そのシステム開発費などに費用がかかっている」(宮澤社長)と話す。
全国通販事業の売上高は、同14.4%増の38億400万円だった。セグメント利益は1700万円だった。アパレルを中心にオリジナル商品を増やしたことと、積極的な新聞広告を展開したことにより、新規顧客獲得が順調に進んだ。増収により積極的な広告投資のコスト増を吸収することもでき、セグメント利益も増加している。