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2024.12.06

環境省、給水人口の98%でPFAS目標値以下と発表 石破総理「来春水質基準引き上げ」

年度別PFOS・PFOAの暫定値目標を超過した事業数

発がん性が疑われる「PFAS(ピーファス、有機フッ素化合物)」について、政府が安全性確保に向けた取り組み示した。環境省は11月29日、「PFAS」のうち、代表的な「PFOS(ピーフォス、ペルフルオロオクタンスルホン酸)」「PFOA(ピーフォア、ペルフルオロオクタン酸)」に関する調査の結果について公表。2024年度の調査では、給水人口の内、PFOA・PFOSの暫定目標値以下の水質の水道水が供給されている人口は、98.2%だとしている。12月3日には、石破茂首相が参院本会議で、来春をめどに、水質基準の引き上げを含めた対応の方向性を決める考えを示した。

環境省が公表した資料では、2024年4月から9月30日までに、水道におけるPFOS・PFOAの検出状況を把握する調査を、1745件実施したとしている。そのうち、PFOS・PFOAの暫定目標値である1リットル当たり50ナノグラムを超過した調査は、0件だったとしている。

現在、テレビや新聞、週刊誌の報道で、「全国の各自治体で暫定目標値を超えるPFOS・PFOAが検出されている」と報道されている。環境省では、「少なくとも、2024年度においては、調査対象の水道から(暫定目標値以上が)検出されることはなかった」としている。

12月3日、参院の代表質問に立った石破首相は、環境省の調査結果を引き合いに出し、「PFOS・PFOAについて、飲み水の安全のリスク低減を図る」とした。「今後、専門家の意見をまとめ、水道事業者に対して検査を求め、水質基準の引き上げを含めた対応の方向性を、来春を目途に取りまとめる」とも話した。


▲石破茂首相(出典:首相官邸)

環境省によると、11月29日に公表した資料において、広範囲の水道で、「PFOS」「PFOA」に関する安全性は確認されたといえるとしている。一方で、過去の調査で暫定目標値を超える調査結果が出たことや、継続的に安全な数値が出るかも分からないことなどから、水質基準の引き上げを含めた検討を行うとしている。

ある浄水器メーカーでは、「首相が『PFAS』の安全性に関する取り組みを行うことを明確にしたことによって、消費者の関心がさらに高まるのではないか。当社の製品に興味を持ってもらうきっかけになることを期待する」(取締役)と話している。

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