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2024.12.29

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健康食品

【インタビュー】あじかん へルスフード事業部ダイレクトマーケティング部長 西村 隆司氏、「『ごぼう』の軸ぶらさず事業拡大へ」

へルスフード事業部ダイレクトマーケティング部長 西村隆司氏


「ごぼう茶」の製造・通販などを行うあじかんの2024年3月期の通販売上高は、前期比5%増の22億円だった。2024年は7月に、ごぼうを使ったチョコレート風味の菓子「GOVOCE(ゴボーチェ)」を発売。11月にはペットボトルタイプの「おいしい!ごぼう茶」を発売するなど、新規市場の開拓に注力している。同社のメイン顧客層は高齢者だが、若年層への認知拡大にも新たに乗り出したようだ。へルスフード事業部ダイレクトマーケティング部長の西村隆司氏に、2024年の同社の通販事業を振り返ってもらうとともに、今後の展開について話を聞いた。



テレビCM枠が取りにくく


――2024年の通販事業を振り返ってどうだったか。


通販・EC市場全体は伸びているのだろうが、スタートアップ企業や、新規事業として通販・ECを始める企業が多く、その影響を大きく受けている。昔から通販・ECをやっている企業にとっては、厳しいのが現状だろう。

当社でいうと、テレビCMの枠が取りにくくなってきていることが課題の一つとなっている。

地上波の視聴率が年々下がってきていることから、視聴率が高めのCM枠を買っていた大手企業の放送枠が、以前に比べて急増している。そのため、大手企業のCMで、枠が埋まってしまい、1本単位で枠を買っている中小企業が、CM枠を取りにくくなっている。結果として、そういった企業がBSに流れてきている。

BSのCM枠は、通販企業の主戦場だ。多くの企業が通販関連のCMを放映している。テレビ離れが進んでいるとはいえ、「テレビで見た」の信頼感はまだまだ強い。今後は新たな枠の確保に加え、ウェブ広告の強化も必要だと感じている。


新たにペットボトルを発売


――ペットボトルタイプの「ごぼう茶」を発売したと聞くが、販売戦略について教えてほしい。

若年層の顧客を獲得しつつ、「冷たいごぼう茶」の認識を拡大していきたいと考えている。

当社の顧客は現状、60~70代が多く。若年層の顧客はかなり少ない。実店舗や大手ECモールなどでの展開を通して、ペットボトルタイプの商品の存在を知ってもらうことにより、若年層の取り込みを図っていければと思う。
 
ごぼう茶は冷やしても飲めるのだが、煮だして作るため「温かい」イメージが強い。そのため冬によく売れている。過去に、CM素材を夏用に作ったことがあったが、夏のイメージは定着しなかった。

今回のペットボトルタイプの発売を通じて、「冷たい」ものという認識が広がれば、年間を通じて売れる商品になるはずだ。そういった側面にも期待している。

ペットボトルタイプについては現在、実店舗の卸先を開拓している。一部コンビニなどにも導入が決まり、これまでにはない販路が増えている。

ペットボトルタイプを入口に、ごぼう茶の認知を拡大させていきたい。

――今後の展開について教えてほしい。

新商品の開発については、今後も毎年1個は出していきたいと考えている。それがこれまでにない顧客層の獲得にもつながってくるだろう。

テレビCMや広告の素材については、素材自体を見直す必要があると考えている。これまでなかった顧客層が興味を持ってくれることも見据え、新規顧客の獲得につなげていきたい。

既存顧客については、コールセンターでのコミュニケーションに、引き続き注力していく。コールセンターを通じて届く、顧客の声は、今後の戦略の大きなヒントになる。

当社はごぼうの専門店だ。展開は広げつつも、「ごぼう」という軸はぶらさず、事業を拡大していきたい。

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