前年と比較可能な86社の実質成長率は、0.7ポイントのマイナス成長となった。
コロナ禍前の情勢に戻った2024年は、通常の生活に戻った年でもあり、これまで以上に活発なリアル活動が進んだ。
一方、円安や物価高など経済情勢は著しく変化していて、今もなお、原材料や物流などのコスト上昇による影響を受けている。
こうした外部環境の変化が業績にどのような形で影響していくのか注視する必要がありそうだ。
上位10社中5社が減収
訪販企業売上高ランキングの上位10社の業績をみると、半数の5社が減収となった。一方、プレミアムウォーターHDや富士山の銘水、ノエビアなど3社は増収。富士山の銘水においては16.2%の増収を達成した。
富士山の銘水は今回も2桁増を達成した。2022年度の売上高は、前期比30.4%増を記録し、2023年度も16.2%増となるなど好調だ。浄水型ウォーターサーバーのニーズを捉えた展開が奏功し成長し続けている要因だという。
上位企業10社で減収幅が目立ったのは日本アムウェイで前期比14.4%減となった。他にも、ワタミやポーラなども減収となった。ワタミは、コロナ禍の反動の影響を受けての減収。ポーラは、委託販売チャネルにおいて顧客数の減少による影響が出た。一方、今回で顧客減少には歯止めを掛けられたようだ。
コロナの反動が減収要因となった企業は他にも多く、反動減による減収が2023年度は多かったようだ。
住設の増収目立つ
各社の増収率は、偏りなく各主力商品で増収が目立った。
住設業界ではプロメテックスホールディングスや新日本エネックスなどが2桁増を達成している。住設は行政処分なども相次ぎ、業界が斜めに見られやすい状況ではあるが、組織力の向上を武器に各社は業績を伸ばしている。
リフォームや太陽光発電など住設業界においては、市場そのものは明るいものの売上に伸び悩む企業が多い。こうした渦中でも、売り上げを確保できる組織体制には注目が集まる。
訪販企業売上高ランキングに掲載した239社のうち39社が増収だった。増収した企業のカテゴリーでNB主宰企業の増収数が最も多かった。NBはリアル回帰が追い風となるだけでなく、副業や未経験者の台頭など、新たな動きが目立ち始め、これらが業績にも好影響を与えているようだ。