OSGコーポレーションのグループ会社で、リターナブルの水宅配事業を展開するウォーターネット(本社東京都、佐藤英夫社長)は、2025年4月から開催される大阪・関西万博にウォーターサーバーを提供する。2024年9月には、ウォーターネットが集中的に取り組む「ステハジ」プロジェクトのEXPOを、OSGグループが主催し、大阪府や2025日本国際博覧会協会が後援する形で開催した。万博と「ステハジ」を合言葉に、熱中症予防と環境保護の取り組みを進めている。ウォーターネットの佐藤英夫社長に、「ステハジ」EXPOなどについて聞いた。
ボトル6000本
──ウォーターネットでは、2025年に開催される大阪・関西万博の会場に、ウォーターサーバーを設置することが決まっていると聞くが、どのような準備をしているか。
4月の万博開催に向けて、ウォーターサーバーを納入する予定になっている。期間中、6000本のボトルを提供し、万博会場のスタッフの方々に、当社の水を飲んでいただく予定だ。
万博の会場では、まだパビリオンの建物を建設中だ。会場の設営が完了してから、本格的に準備することになるだろう。
当社とは別に、OSGコーポレーションでは万博会場内に冷水器を25台設置する予定だ。
グループ全体で大阪・関西万博を応援していく。
「ステハジ」EXPO開催
──ウォーターネットが万博に協力をすることになったきっかけを知りたい。
もともとOSGコーポレーションでは、「使い捨ては恥ずかしい」という考えのもと行動する「ステハジ」プロジェクトに、大阪府と連携して取り組んでいた。それがきっかけになった。
「ステハジ」プロジェクトは、海洋プラスチックの問題などに対して、企業や自治体、個人が行動変容に取り組むプロジェクトだ。マイボトルの持ち歩きを啓発する「ペットボトル50億本削減」チャレンジや「みんなで広げる給水スポット」チャレンジといった取り組みを行っている。
9月には、大阪・パナソニックスタジアム吹田で、「『ステハジ』EXPO」という、OSGグループの総合展示会を開催した。
大阪府と2025日本国際博覧会協会にも、このEXPOの後援をしていただいた。吉村洋文大阪府知事も登場してくれた。
このEXPOには、大手小売量販店やフィットネスジム、オフィス家電メーカーなど、さまざまな業種の事業者が計78ブースを出展した。それぞれが、エコやエシカル消費、マイボトルの活用などをテーマにした展示を行ってくれた。
来場者にマイボトルを持参してもらい、1000本以上のマイボトルで「ステハジ」の文字を作ったりもした。
サッカー日本代表の元監督の岡田武史氏が、イノベーションをテーマに講演をしてくれたりもした。会場となったパナソニックスタジアム吹田はもともと、サッカーチームの「ガンバ大阪」がホームとするスタジアムだ。当日は「ガンバ大阪」だけでなく、「アビスパ福岡」や「セレッソ大阪」など、ライバルのサッカーチームが一堂に会したこともあり、サッカーファンの間でも話題になった。
EXPOの目的は、「ステハジ」プロジェクトの認知向上が目的だ。普段はライバル同士である、サッカーチームや企業が、環境保護と熱中症予防をテーマに手をつなぐ姿をお見せすることができた。その結果、多くの人の印象に残ることができたのではないかと考えている。
──2024年の宅配水市場の状況はどうだったか。
当社も他社と同様、気温の上昇によって、お客さま1件あたりの水の消費量が高まった。売り上げにも貢献した。
今年の気温の高まりは、10月も続いた。11月も、平年よりも暖かかったのではないか。例年よりも水の消費量は多いのではないかと予想している。
2024年8月に宮崎県で大きな地震があった。それに伴い、南海トラフ地震が起こる可能性が高まっているという趣旨の報道がされた。
災害対策への機運が高まり、備蓄を増やすために、普段よりも余分にウォーターボトルを注文するお客さまが増えた。東京など都心部の直営エリアでは顕著にニーズが高まった。
2024年8月の南海トラフの報道が落ち着いてからも、備蓄に対するニーズは引き続き高まっていると感じている。