「久世福商店」や「St.Cousair(サンクゼール)」などの食品ブランドを運営するサンクゼールの2023年4‐9月期(第2四半期)のEC売上高は、前年同期比5.9%増の5億2762万円だった。会員アプリで情報を発信し、実店舗の顧客をECへ送客できたことなどが奏功した。
同社は2021年4月、公式アプリを開設した。アプリ登録者は増加している。ECを含まない店舗会員数は24万6000人に上る。
実店舗でのヒアリングやアンケートを通じて顧客のニーズを深掘りすることで、店舗会員数に占めるロイヤル顧客の比率を高めている。公式アプリを通じて、店舗とECの顧客データを共通化し、CRMツールを活用して、さらなるリピート購入につなげている。
「販促を行ったり、お得商品の福袋なども発売しているが、それ以上にアプリの存在が大きい。店舗利用者にもECの存在を伝えて、ECの利用につなげている。既存顧客を中心にECの利用を促すことで、多額の費用をかけずともEC売り上げの増加につながっている」(久世良太社長)と話す。
ECでは、ファンベースマーケティングに注力している。既存顧客が発信するUGC(ユーザー生成コンテンツ)を生かして、潜在顧客を掘り起こし、ブランドをよく利用するロイヤルカスタマーへと育成している。
2023年9月には、フルフィルメント機能の外部移管作業の影響で、出荷遅延が発生した。久世社長によるとこの出荷遅延がなければ、さらにEC売り上げは伸びていたという。
「1~2ヵ月の間、出荷遅延が起こったが、これも第2四半期中に解決できた。新たなフルフィルメントで年末商戦などに挑んでいく。フルフィルメントは他社だからということではなく、当社のメンバーも現場に常駐して、ともに対応していく考えだ」(同)と話す。
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