2024年4‐11月期の宅配事業の供給高(受注高)は、前年同期比1.2%増、利用単価は同2.5%増、利用人数は同1.3%減、利用点数は同1.6%減だった。
新規組合員獲得については、職員の欠員や営業力低下などから前年を下回った。配送手数料を値上げしたことで利用人数も純減傾向にあり、低迷につながっているとした。また、深刻な採用難と人材不足、業務委託事業者の欠員率も改善していないという。
宅配事業は、改善提案、実施実測、検証結果を共有し損益の改善を目的にした宅配センター標準化スクールも引き続き実施した。配達コース編成の起案にAIを活用することで、走行距離を短縮し、コース作成業務を合理化すること取り組んだ。コープこうべでは2024年5月から9月までに4センターで9台(8.7%)の車両を削減できたという。
若年層の接点獲得を目的に、生協宅配のお試しサイト「TRY CO・OP(トライコープ)」の参加生協での独自施策を展開した。具体的には、女性向けウェブメディアにタイアップ記事やインフルエンサ―とのコラボ動画を掲載。SNSなどを通じて「トライコープ」サイトに誘導した。その結果、サイトに51万人、4350人が参加したという。
2月をめどに、人気のコンテンツ制作会社を起用し、コープの宅配をテーマにしたインパクトのあるアニメーション動画を制作し、宅配紹介サイトへ誘導する。全国の生協と連携して、生協全体で若年層参加の機運を高めることを目指す。
記者発表会で藤井喜継専務は「子育て層や若年層の開拓について具体的な成果が出ているわけではなく、各生協がイベントや個別訪問などを継続し続けていくしかない。地域生協で成功事例を共有する『仲間づくり交流会』を通じて新規組合員獲得を目指していきたい」と話した。