「越前かに職人 甲羅組」のブランドで海産物のネット販売を行う伝食(本社福井県、田辺晃司代表)は2026年春ごろを目途に、観光施設を併設した新工場を設立する。カニを身近に感じることができ、その魅力を楽しめる施設の併設を計画しているという。田辺寛常務取締役は「年間で50万人の来場者数を目標としている」と意気込む。
同社は1年間で注文件数が30万件を超えるふるさと納税返礼品の生産キャパシティーの確保や物価高への対応が大きな課題となっている。対策として、社内で「新工場設立」の構想が出てはいたが、予算の確保が難しかったという。
そのような中、公益財団法人ふくい産業支援センターと商工組合中央金庫福井支店の連携チームから、「中堅・中小企業の賃上げに向けた省力化等の大規模成長投資補助金」制度活用の提案を受けた。2024年4月に同補助金に申請し、同6月に採択を受け、新工場の設立を決定したという。
伝食のある福井・敦賀市は2024年、北陸新幹線の終着駅となり、「地域活性化」の絶好の機会を迎えた。首都圏からのアクセスが良くなり、地の利を生かした集客・雇用など、多くの人が敦賀に集まるきっかけを提供する。
「現在の水産加工場では見学コーナーが不十分であるため、魅力的な体験を提供しきれていない。NO.1蟹ブランドを確立するためには、見学型や体験型の『見せる工場』が非常に効果的だと考えている。より多くのお客さまに当社の製品への思いや製造過程を知っていただくことが、閑散期のカニ需要の喚起にもつながる。絶大なPR効果も期待できるとみている。ネット通販の売上高向上にも貢献できると考えている」(田辺常務取締役)と話す。
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