CLOSE
CLOSE

2025.03.19

特集

テーマ特集

【食品通販・食品宅配 インタビュー】 <テレビ通販> ジュピターショップチャンネル マーチャンダイジング本部マーチャンダイジング3部エレクトロニクス&フード&アザーズグループバイヤー 清水香純氏、「有名シェフとのコラボが増収に寄与」

清水香純氏


ショッピング専門チャンネル「ショップチャンネル」を放送するジュピターショップチャンネル(本社東京都、小川吉宏社長)は2025年3月期における食品ジャンルの売り上げが前期を超える見通しだという。ただ、マーチャンダイジング本部マーチャンダイジング3部エレクトロニクス&フード&アザーズグループバイヤーの清水香純氏は、「原材料高騰など食品においても課題は多い」と危機感を露わにする。清水氏に現在の食品ジャンルの動向や、原材料高騰の影響、今後の展望などについて聞いた。




──清水氏が「ショップチャンネル」で食品を担当してから9年経つというが、その間の変化は。

当時は現在ほど規模は大きくなく、食品はそこまで重要なカテゴリーではなかった。だが、コロナ禍を経て、消費者にとっても通販が身近に感じられるようになった。選択肢も広がり、その結果、「ショップチャンネル」で食品を購入していただけるお客さまは増えた。新規顧客の獲得も順調だった。

現在は他社と同じだと思うが、コロナ禍の収束もあり、少し危機感を抱いている。今まで商品を二つ購入していたお客さまが、一つだけ購入するようになったり、毎回商品を購入してくれていたお客さまが購入しなくなったりと変化が出ている。

──そのような変化を受けて、どのように対応しているのか。

さまざまな取り組みを実施している。例えば有名シェフとコラボレーション(コラボ)した商品を開発した。これまでも有名シェフとコラボすることはあったが、新たに鎌倉で有名なフレンチシェフのミッシェルナカジマ氏が監修したハッシュドビーフや、浅草・駒形”ナベノイズム”のエグゼクティブシェフである渡辺雄一郎氏が監修した商品などを販売した。

お客さまの関心は高く、「知っているお店のシェフだ」「事前に知って次回の放送を楽しみにしていた」などの声を聞くことができ、販売は好調だった。

また地域貢献の観点から、2025年1月23日、「日本を見つけよう~北陸応援スペシャル~」という番組を放送した。午前8時、午後1時、同5時、同7時に能登半島地震で被害を受けた北陸地方の商品を紹介した。食品や調理雑貨などを販売し、番組自体も盛り上がり、売り上げも順調だった。

──新商品や特別番組の販売商品が順調に売れる要因は。

「ショップチャンネル」で食品を購入するお客さまは、比較的高齢の方も多い。若いとき、主婦として作る料理にこだわってきた人が多く、食品に対して目利き力がある。調味料や食材などにこだわっている商品を購入することが多い。そのようなお客さまに、当社が自信を持って販売している高品質な食品を購入していただけていると思っている。

──食品の原材料高騰の影響は。

当社にとっても課題の一つとなっている。お客さまが求めるクオリティーの商品を開発しようとなると、必然的に良い原材料を使用しなくてはならない。ただでさえ原材料は高騰している状況で、良い原材料を選ぶと、仕入れが厳しくなる。

今後は「いかに原材料を確保できるか」「きちんと価値を提供できるか」が重要になってくる。電気代、ガス代、資材、人件費の高騰に加え、コメ、海産物、農産物の高騰、または生産量の減少による仕入れ難がある。本当に食品を取り巻く環境は厳しくなっている。当社としてもクオリティーが高い商品を開発し、その価値を「ショップチャンネル」の番組を通じて、きちんと丁寧に伝えていく。

──2024年にヒットした商品は何か。

常温で日持ちする商品はよく売れていた印象だ。先日のショップスターバリュー(その日一番のお買い得商品)で紹介した常温で食べられる煮魚も販売数はとても好調だった。

2024年は年明けから能登で震災があり、その後も水害などの災害が続いた。そのため、有事の備えとして、日持ちする食品をそろえるお客さまが増えていると感じている。当社としては、備蓄品として販売するのではなく、あくまでも日常に、ご飯のお供としておいしく食べることができる商品として販売している。そのような商品が結果として、備蓄品としても活躍している。

無料メールマガジン登録 人気の記事や編集部のおすすめ記事を配信
登録することで、個人情報保護方針に同意したものとみなされます。

タグ:

おすすめの記事

PICK UP


人気の記事

RANKING

新聞のご紹介

日本流通産業新聞

詳細・購読はこちら