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2025.03.19

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【食品通販・食品宅配 インタビュー】 <百貨店> 大丸松坂屋百貨店 本社営業本部MDコンテンツ開発第2部フーズ担当(生鮮食品・デリカ) ディベロッパー&エディター 南雅人氏、「通年で売上に寄与する商品の強化を図る」

南雅人氏


大丸松坂屋百貨店(本社東京都、宗森耕二社長)の食品通販事業が好調だ。「大丸松坂屋オンラインストア」の食品の、2025年2月期(2024年度)の売り上げ見通しは、前期比で約8%増となる見込みとなっている。同社の本社営業本部MDコンテンツ開発第2部フーズ担当(生鮮食品・デリカ)ディベロッパー&エディターを務める南雅人氏に、食品通販事業での新たな挑戦や、今後の成長戦略について話を聞いた。





──御社の食品通販事業について聞きたい。

EC事業の売り上げは好調に推移している。

2024年度における、「大丸松坂屋オンラインストア」の全体の売り上げは、前期比約3%増となる見込みだ。その中でも、食品の売り上げだけを見ると、前期比約8%増と、大きく伸長した。

特に好調だったカテゴリーは「おせち」で、前期比8%増で着地した。コロナ禍をきっかけに、改めて自宅でおせちを楽しむという流れが戻ってきているようだ。以前は百貨店にブースを設けて、紙ベースで受注していたが、コロナ禍もあり、徐々にECでの注文にシフトしている。前回(2023年度)のおせち商戦は、おせち全体の売り上げのうち、ECが初めて50%を超えた。今回(2024年度)のおせち商戦も、ECからの購入率は52~53%と、引き続き高い水準となった。

一方で、クリスマスケーキやバレンタインは、前年と比べ伸び悩んだ。2024年は、クリスマスが平日だったことが影響したと考えている。バレンタインについては、店頭回帰の影響を受けた。

当社のECサイトでの食品の購入目的は、もともとギフト需要が高いが、最近では自分用の「ご褒美ニーズ」が高まっている。そうしたニーズに対応するべく、「大丸・松坂屋のお取り寄せカタログ GO HO U BI(ゴホウビ)」を作っており、厳選した高品質な商品を取りそろえる取り組みも行っている。

──食品通販事業での新たな取り組みは?

食品通販事業においては、以前から野菜分野を強化していきたいと考えていた。

最年少野菜ソムリエプロの緒方湊氏とコラボを行い、野菜に特化したサービス「最年少野菜ソムリエプロ 緒方 湊君がセレクト 3回のお届け野菜頒布会」の提供を開始する。期間限定で、緒方氏が厳選したこだわりの野菜をお届けする取り組みだ。

緒方氏は16歳だが、伝統野菜に深い見識があり、全国各地の生産者との広いネットワークを持っている。

この頒布会は、緒方氏と生産者とのつながりによって実現した。

──その頒布会について詳しく聞きたい。

申込期間は2月26日~3月19日。3月19日までにお申し込みいただいたお客さまに対して、3~5月の期間、毎月1回新鮮な生野菜をお届けするサービスだ。(1)Aコース(月額税込5400円)(2)Bコース(月額税込3780円)─の2コースから選択できる。

Aコースは、月ごとに、そのシーズンのさまざまな旬野菜を取りそろえる予定だ。

Bコースは、サブタイトルに「湊君のこだわり満載Bコース」と打ち出している。3月から順番に、「トマト食べ比べセット」「旬の山菜セット」「イタリア野菜セット」として、テーマを設けて野菜を届けていく。

2月26日、「大丸松坂屋オンラインストア」内に、「頒布会」の特設ページをオープンした。緒方氏の野菜に対する思いを掲載している。

──今後の展望について聞きたい。

オンラインストアでは、基本的にカレンダー行事に合わせて運営を行っている。例えば、「母の日」「父の日」「お中元」「お歳暮」などの、季節イベントの大きなマーケットで、各イベントを軸に売り上げを伸ばしてきた。

今後は、1年を通じて売り上げを伸ばしていくことができる商材の強化に力を入れていく。

すでに、多くの人から愛されている商品ジャンルの品ぞろえを、いつでも購入できるように充実させる取り組みを始めている。具体的には、「アイス」「うなぎ」「冷凍食品」だ。お酒の商品ラインアップも拡充していく予定だ。

当社のオンラインストアと、より相性の良い商品を見つけていけるように、挑戦を重ねていきたいと考えている。

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