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2025.03.28

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健康食品

【健康食品開発の裏側】 〈ディーエイチシー〉3カ年の開発計画がヒット生む ロットごとに分析しウェブで公開

商品開発担当のマーケティング統括ユニット 健康食品グループ 岡田康宏課長

健康食品・化粧品通販大手のディーエイチシー(DHC、本社東京都、宮崎緑社長)は、健康食品の開発において、3カ年の中期計画を策定している。生活者の健康ニーズの変化に合わせて、見直しも柔軟に行っているという。開発計画の一例として、2024年にリニューアルした「パーフェクト サプリ マルチビタミン&ミネラル」がある。リニューアルに当たって、既存の通販・直営店向けの商品の販路を、全国のドラッグストア・スーパーに販路拡大した。その結果、2024年12月期の同商品の売り上げは、前期比で1.5倍以上になったという。製品の安全性の担保にも心血を注いでいるという同社の「健康食品開発の裏側」に迫った。


生活者調査から配合を工夫


DHCが現在販売しているサプリメントは、「30日分」「60日分」といった日数別商品を除いても、200種類以上ある。向こう3カ年の新商品開発について計画を立て、絶えずアップデートするようにしているという。

2024年には、DHCの企業パーパスとして、「しあわせを、ふつうに。」を策定した。このパーパスに沿って、「生活者のウェルエイジングをどのようにしてかなえるか」「生活者が心と体のQOLを高めるにはどのような商品を開発すればよいか」といった視点から、商品開発計画を検討しているという。「生活者の理解」を起点とした商品開発を行っているのが、同社の大きな特徴だ。

例えば、「睡眠の質を高める」機能を表示する、同社の機能性表示食品「ねむリラク」は、コロナ禍で生じた「睡眠ケアのニーズ」から生まれた商品だという。DHCが生活者の睡眠について調査したところ、睡眠を妨げる要因の一つとして「冷え」を挙げる人が多かったのだとしている。

そこでDHCでは、「睡眠の質の向上」の機能が報告されている「ラフマ由来ヒペロシド、ラフマ由来イソクエルシトリン」だけでなく、「冷えによる末梢神経の体温の低下を低減する」機能が報告されている「ヒハツ由来ピペリン」も配合し、「ねむリラク」を開発したという。

2024年にヒットした「パーフェクト サプリ マルチビタミン&ミネラル」も、生活者のニーズを反映して生まれた商品だ。同商品は、もともと通販・直営店販路で販売していた。リニューアルと同時に、全国のドラッグストアや大手スーパーマーケットでの販売を開始したのだという。

DHCの中でも根強い人気があったベーシックなサプリを、健康の基本や、栄養素の効率を考え、さらに進化させたのが、この商品だという。

全国のドラッグストアや大手スーパーマーケットで販売を開始した目的は、20~30代を、一般流通チャネルで「DHCの新規ユーザー」を獲得していくことだったとしている。


PRISMA2020にも対応


DHCでは、2024年に発生した「紅麹問題」をきっかけに、製品の安全性に関する発信を強化した。DHCが開発した商品の安全性について、ユーザーに改めて知ってもらうべく、さまざまな取り組みを発信するようにしたという。

例えば、DHCのサプリを製造している工場は、GMP(適正製造規範)の認証を取得しており、製造するすべてのロットで、評価・試験を行っている。こうした分析結果を顧客にも知ってもらった上で、安心して使ってもらいたいとの思いから、ECサイト上で、分析結果を公開するべく準備を進めているという。

DHCでは、商品の安全性・信頼性の監査を行うチームが、全てのサプリメントを製造する工場の立入検査も行っている。製造現場の衛生面においても、問題がないことを確認した上で製造を行っているという。

2025年4月以降は、機能性表示食品の届け出において、SR(研究レビュー)の質向上に向けた、国際的なガイドラインである「PRISMA声明2020」に準拠することが求められるようになる。

DHCでは、すでに届け出が受理されている製品や、これから届け出を予定している製品について、「PRISMA2020」に準拠しているかという視点で総点検を実施して、順次新たなSRにて届け出を進めていくとしている。

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