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2025.03.31

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【インタビュー】 〈国内化粧品売上高は前期比10%増と好調〉ロイヤル化粧品 桃園忠会長、「『良い商品だから広げる』ことに原点回帰」

桃園忠会長


ロイヤル化粧品(本社東京都)の2024年3月期における国内化粧品の売上高は前期比10%増と好調だった。それでも同社の桃園忠会長は現状に満足せず、「ロイヤルの原点である”口コミ”で商品を広げることに回帰するようリーダーに再徹底したい」と話す。桃園会長に原点回帰するための具体策や2025年の営業方針について聞いた。



 

──2024年3月期の売上高は前期比10%増と好調だった。コロナ禍が明けて現場の活動が活性化しているということか。

国内における化粧品売上実績と会社全体の売り上げは、海外への輸出や、アマゾンへの出品をはじめとするEC売り上げも計上しているので、総売上高はもっと多い。国内化粧品の成長率が高かったのは、コロナ禍の悪影響から抜け出したことが大きい。あの当時は人に会うことすら困難な状況だったので、厳しかった。

前期は10%増収だったが、2025年3月期は今のところ横ばいで推移している。世界的にインフレが進む中、当社もコストが5%以上上昇しており、10%を超える増収にしなければいけない。

──コスト増に伴って、最終製品を値上げせざるを得ない企業が増えている。

当社は一切値上げしていない。消費者のことを考えたら値上げなんてできない。だから売り上げを伸ばす必要がある。販管費を削って凌ぎたいところだが、化粧品業界は競争が激しいのでインセンティブを減らすわけにもいかない。
 
──サロン展開していた企業はコロナ禍で来客が減り、大きな打撃を受けた。御社はサロン展開せずに会長が提唱してきた「良い商品だから広げる」という手法を誠実に続けてきた。

当社は”売ってなんぼ”のやり方ではない。創業から忠実に「口コミ」を重視してきた。ただ現場は売り上げが上がらないと”売り”が強くなる。これは私の考えとは相反すること。プロがセールスしてもなかなか売れない時代に、アマチュアが売ろうとしても土台無理な話だ。だから親しい人に口コミで伝えていくことが重要だ。消費者から消費者に良い商品を伝えるのが原点だ。

──会長が提唱してきた原点を徹底するための策で考えていることは。

原点回帰するため、2025年は再教育の徹底に力を注ぐ。そのためのテキストを制作した。テキストは、ADという約70人のリーダーに配布して、まずはリーダーに再認識してもらおうと考えた。毎月1回、リーダーを集めた月例会議を行なっているので、会議に合わせた研修を1月から開始した。また、営業白書という年間プランを毎年策定しており、1月、この白書に基づいた新年研修会を全国で開催した。

──営業白書の中身はどのようなものか。

ベースとなるものに変化はないが、インセンティブの部分などは変更がある。今回は創業以来の精神から少し外れてきているので、原点回帰するための内容を盛り込んだ。新年研修会を通して代理店のモチベーションはかなり高まった。自分の体感を新しい人にどう伝えていくかが理解できたと思う。行列のできるラーメン屋は宣伝なんかしていないのと同じ原理だ。

──代理店の平均年齢層は。

40代から50代前半がボリュームゾーンだろう。昨年から若年層向けに昇格条件を緩和する特典を設けた。また若年層の人がメンバーになった際にはトートバッグをプレゼントしている。これが非常に好評で、若い人の参画が増えている。

──これ以外に2025年の方針として考えていることは何か。

営業トップのGMが全国を回っている。コロナ後から教育してきた約20人いる営業担当の社員も成長してきた。実績もそうだが何より、ロイヤルのことをきちんと伝えられるトークが上手になった。

ECもさらに充実させたい。昨年10月からアマゾンでの出品を始めた。全て定価で販売している。インバウンドで来日した外国人に買ってもらうのが主旨だ。アメニティーグッズを作ってホテルに供給し、知名度を高めている。当社の化粧品はノンオイルで24金の金箔入りという優れた特徴がある。円安なのでコストパフォ―マンスも高い。当社にとっても、海外に拠点を設けるよりECのほうが効率的だ。

2024年10月から山形・青森・熊本でテレビ通販を始めた。30分番組と120秒CMを放送している。過去に購入してくださった顧客を掘り起こすのが狙いの一つだが、狙い通り既存顧客の購入が増えている。

──2025年に新商品を投入する計画はあるか。

スキンケアとサプリメントを計画している。サプリは血糖値や高血圧に焦点を当てたものを開発中で、年内に発売にこぎ着けたいと考えている。

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