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2025.04.01

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健康食品

【健康食品通販 トップインタビュー】ディーエイチシー 中尾羽似 ユニットマネージャー「ウェルエイジングな世界の実現に」

中尾羽似氏


健康食品・化粧品通販大手のディーエイチシー(DHC、本社東京都、宮崎緑社長)が、経営を刷新してからまもなく2年となる。2024年には、「しあわせを、ふつうに。」という新たなパーパスを策定した。健康食品でも、刷新した「パーフェクトサプリ マルチビタミン&ミネラル」が人気となっている。通販事業ユニットのユニットマネージャーを務める中尾羽似(なかお・はに)氏は、「ウェルエイジングな世界の実現に向けて、特にECを中心としたコミュニケーションを拡充したい」と話している。



成分の検索流入が高い


──2023年に経営陣が刷新された。通販事業にはどのような変化があったか。
 
2022年に創業50周年を迎えたタイミングでもあり、経営陣の刷新は、通販の仕組みやシステムを見直すきっかけになった。
 
当社ではこれまで、会報誌を通じたコミュニケーションが中心で、電話注文の比率も比較的多かった。今後は、ECでのコミュニケーションを拡充させることにより、EC比率を高めていく計画だ。
 
もともと、ECの注文比率が半分以上ではあった。ここ数年は、その比率をさらに高めるべく、ECについて、見え方や利便性の磨き込みを行っている。
 
新規顧客についても、リスティング広告経由やディスプレイ広告経由の獲得が増えてきている。
 
当社では、商品名や成分名を検索して流入するお客さまの比率が大きい。当社のサプリメントは、成分名を商品名にしているケースが多いため、検索でヒットしやすいという利点がある。
 
配合量や価格といった商品の品質を比較し、検索から購入にひも付くケースが多いのではないかと考えている。
 
EC強化の理由としては、お客さま一人一人と適切なタイミングで、適切なコミュニケーションを持てるという点が大きい。
 
当社は、会報誌をきっかけとした、顧客の稼働が多く見られる。会報誌を通じたコミュニケーションは、とても大切だと考えている。
 
ただ、会報誌は月に一度の決まったタイミングでのコミュニケーションであることから、一人一人のお客さまに対して、適切なタイミングで情報の出し分けをすることは難しい。
 
ECであれば、例えばお客さまが商品を使い切ったタイミングでフォローすることなどもでき、「顧客ファースト」をさらに推進できると考えている。


健康意識×時間が成功


──DHCのサプリメントの主力商品を知りたい。
 
「マルチミネラル」「マルチビタミン」といったベーシックサプリに、「DHA」「エクオール」「ルテイン」を加えた、5種類のサプリメントは、不動の人気商品だ。
 
2024年は、「パーフェクトサプリ マルチビタミン&ミネラル」の人気が、非常に高まった。これまでは通販だけで販売していたが、リニューアルに際して店頭でも取り扱いを始めた。その結果、年間の売上高は前年比で58%増加した。店頭だけでなく、通販でも売れた。
 
「忙しい毎日でもこれ一つ」という訴求が当たったようだ。「健康意識の高まり」と、「タイムパフォーマンス」の二つのニーズにマッチした。


生産体制と国産をPR


──「紅麹問題」の影響は?

健康食品は打撃を受けた。報道の後は、定期購入の離脱があり、サプリメントの購入率も目に見えて落ちた。
 
現在は回復傾向にある。
 
店頭などの一般流通への影響は、通販に比べると少なかった。一般流通チャネルでは、20~30代の比較的若いお客さまが多く買ってくれている。「紅麹問題」がDHCの製品とは関係ないと理解してくれている人が多かったのではないか。
 
紅麹問題があったことをきっかけに、お客さまに安心して購入してもらえるよう、情報発信を強化したいと考えている。
 
今までは当たり前のことであるため大々的な発信はあまりしてこなかったが、万全な生産体制であることや、原料・品質へのこだわり、安全性などを「なぜここまでこだわるのか」という想いとともに伝えていく。

──2025年に注力したい施策は?

お客さまとの、デジタル上でのコミュニケーションを拡充していきたい。通信販売という視点だけでなく、「しあわせを、ふつうに。」という新たなパーパスに沿い、ウェルエイジングな世界の実現に貢献するべく動いている。
 
サプリや化粧品を通じて、DHCならではの価値を提供し、人生が健やかで美しくあるための日々の習慣を根付かせていきたい。
 
人が何か習慣化するのはハードルがある。だからこそ、私たちはそれを実現したい。

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