「カルピス健康通販」を展開するアサヒグループ食品では2025年、免疫ケアの機能性表示食品「免疫ピース+(プラス)」や、骨密度ケアの機能性表示食品「骨こつケア」などの、主力のサプリメントのプロモーションを強化するとしている。2024年は「紅麹問題」の影響があり、新規顧客獲得のための広告投資を抑えた1年だったという。2025年に入り、「紅麹問題」の影響が収まりつつある中で、商品のリニューアルやデジタルシフトを進めるとしている。2024年9月にアサヒグループ食品のダイレクトマーケティング部長に就任した横手努氏に、2025年の戦略を聞いた。
「紅麹」影響に落ち着き
──アサヒグループ食品の通販部門の責任者になって半年だが、感触を聞きたい。
当社の通販部門は、「カルピス健康通販」「アマノフーズ通販」という二つのショップがあって、それぞれ状況が異なっていた。2024年は「紅麹問題」があり、就任時は、かなり苦しい状況でバトンを受け取ることになったといった印象だった。
2024年の年末ごろから、「紅麹問題」が落ち着きを見せ、影響が底を打ったと感じた。
2025年1月からは、広告の獲得効率も順調に推移している。これから結果を出していきたい。
──「紅麹問題」はどのような影響があったか。
当社のサプリメントの定期購入のお客さまの離脱や、お客さまの解約率の悪化、広告の獲得効率の悪化という問題が生じた。
解約率については現在、 「紅麹以前」に戻った。むしろ、以前よりも良くなったと見ることもできる。
お客さまの獲得に掛かる費用は、かなり悪化した。そのため、昨年は、既存のお客さまのLTVを高める戦略にかじを切った。
「紅麹問題」を原因とした解約については、2024年4月の1カ月間が最も多かった。当社の新規顧客の獲得は、インフォマーシャルなどのオフライン広告が大半だ。解約も、オフライン経由で契約した人の解約が大半だった。
昨年後半から年末にかけて広告出稿を増やしたところ、いい流れができてきたと思っている。