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2025.04.01

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【健食専門家 トップインタビュー】 〈データ分析〉Nint マーケティングディビジョン アナリスト 山本真大氏、「大手ECモールのサプリ市場は3%拡大」

山本真大氏


2024年の、大手ECモールのサプリメント市場の規模が、前年比で3%拡大したことが、ECモールのデータ分析を手掛けるNint(ニント、本社東京都、吉野順子社長)の調べで、このほど分かった。モールによってトレンドには違いが見られるようだ。特にアマゾンでは成長が顕著だったとしている。ジャンルとしては、プロテインが引き続き伸びているという。「紅麹問題」の影響はあまり見られなかったようだ。Nintの山本真大データアナリストに、2024年のECモールのサプリ市場と、2025年の市場予測について聞いた。



プロテインが顕著な伸び


──大手ECモールのサプリメント市場の推移について聞きたい。
 
当社は、主要ECモール(「楽天市場」「アマゾン」「ヤフーショッピング」)の公開データを基に、独自にトレンドなどを集計・分析する「Nint ECommerce(ニントイーコマース)」というサービスを運営している。2023年1~12月と、2024年1~12月のデータ(25年3月時点)を比較したところ、2024年のECモールのサプリメントの市場規模は、前年比で3%拡大したことが分かった。
 
各モールで売り上げトレンドに違いが見られる中、特にアマゾンでは成長が顕著だった。
 
モールごとにジャンルの定義に違いが見られるが、当社の分類で見る限り、「サプリメント」と「プロテイン」の二つのジャンルでは成長が確認された。特に、「プロテイン」の伸び率は非常に高かった。
 
「プロテイン」では、明治の「ザバス」や、「エクスプロージョン」「レイズ」「日本新薬」といったブランドが、大きく成長した。
 
プロテインが成長したブランドでは、SNSによる情報発信と、「アマゾン」での売り上げ拡大に相関関係があるようだった。SNSで、「アマゾン」のセールの事前告知をすると、「アマゾン」で大きく売り上げが高まるケースが多かった。
 
2023年までは、プロテイン市場の伸びの要因は主に、「ザバス」を中心とした大手ナショナルメーカーの躍進だった。大手ナショナルメーカーの製品が市場シェアの大部分を占有していた。
 
2024年は変化があった。「レイズ」や「エクスプロージョン」といった中小規模のブランドが、大きく売り上げを伸ばし、市場をけん引する要因となった。
 
消費者のニーズが多様化していることなどが考えられる。


セール期間が拡大


──「アマゾン」が伸びた理由が知りたい。

 
「アマゾン」のサプリメント市場が伸びているのは、二つ理由があると考えている。一つは、「アマゾン」のセールの日数が伸びたことだ。「プライム感謝祭」などの大型のセールイベントの開催期間が前後1~2日間増加した。月によっては、セール期間が5日間増えたケースもある。
 
セールによる露出のタイミングが増えたことにより、市場が拡大したと言える。
 二つ目の要因は、「アマゾン」の定期配送の利便性の高さが挙げられる。「アマゾン」の定期便は、割引率が分かりやすく、「アマゾン」を使うユーザーと相性がいいのではないか。
 
──ECモールでは、「紅麹問題」の影響はあったか。
 
一部メーカーの製品が社会的な関心を集めた影響により、「紅麹」を含む商品の売り上げが大きく減少し、限りなく0(ゼロ)に近づいた。一方で、「サプリメント」の市場全体としては、ほとんど影響がなかったと思われる。
 
あくまで前年と比較して影響がみられなかったということであり、本来見込めていたはずの成長が遂げられなかった可能性はある。

悩み訴求よりも栄養補助


──プロテイン以外で伸びている市場はあるか。
 
「ビタミン」「ミネラル」「コラーゲン」の市場が拡大していると見ることができる。
 
「何か特定の悩みがあってケアしたい」というニーズよりも、「普段の食事にプラスアルファすることで栄養を補給したい」というニーズが高まっているのではないか。
 
具体的には、大塚製薬の「ネイチャーメイド」や、DHCの「パーフェクトサプリ」、バイタスの「マルチビタミン・ミネラル」のサプリメントが非常に伸びている。


美容医療ニーズの拡大


──今後、市場で伸びていきそうなジャンルはあるか。
 
「グルタチオン」だ。「グルタチオン」は抗酸化作用が期待できる成分だ。美容医療のニーズの高まりから、「グルタチオン」にも注目が集まっていると考えられる。
 
韓国発の化粧品ブランドの「VTCOSMETICS(ブイティーコスメティクス)」が、「グルタチオン」配合のスキンケアやマスクの売り上げを伸ばしている。市場における認知が広がるきっかけになったと考えられる。
 
「グルタチオン」にも言えるが、ECモールの展開とSNSを組み合わせると、起爆剤になる可能性がある。「プロテイン×SNS×ECモール」や「グルタチオン×SNS×ECモール」のような仕掛けが、ヒットにつながるのではないか。

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